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2016.07.24

チームラボ・猪子寿之さんが語る「これからの30年と東京オリンピック」

teamLab猪子寿之さんが見ている、これからの30年

価値観の大転換という時代のまっただ中にある世界を、ウルトラテクノロジスト集団チームラボの代表はどう眺めているのだろうか。所有から共有へ、物質から解放された我々の未来とは?

◎時代を象徴するオリンピックになる

「東京オリンピックは、日本が21世紀型のオリンピックを世界に初めてアピールできる絶好のチャンスになりますよ」

 チームラボの代表、猪子寿之さんは、少し先の日本の姿についてこう期待を込める。2020年のオリンピックは、テレビで一方的に見るだけの「鑑賞型」オリンピックから、ネットワークでつながったデバイスでみんなが聖火リレーに参加したり、ホログラフィーで100m走の決勝をアスリートと一緒に体験できるといった「参加体験型」のオリンピックになる、と言うのだ。

「僕たちはもう情報革命デジタル革命後の時代に入っている。鑑賞型から参加体験型へ、という変化もこの21世紀の時代を反映したものなんです」

 東京オリンピックが参加体験型のコンテンツを提供できれば、新しい時代のオリンピックの象徴となる、というわけだ。確かに、YouTubeやFacebookにしても参加体験型だし、音楽業界がライブへシフトしていることも同じ流れなのだろう。

◎激変する時代はシームレスに変わらない

 今の世界は、こうした変化の激流があらゆるビジネスや産業、我々の生活を巻き込んでいる。猪子さんは21世紀型情報革命の特徴のひとつを、物質からの解放だ、と言う。

「デジタルとネットワークは、これまで物質によって媒介されなければ存在できなかった情報なり価値なりを、物理的な制約から解放しました。写真は撮った瞬間に誰かに送り共有することができるし、微細な加工まで自由自在にできる。物質から解放された結果、我々の価値観は『所有から共有』へと変わり、何かを所有しなくても脳が快感を得ることができるようになったんです」

 大量生産の20世紀型産業社会では物質の大量消費が美徳であり、クルマでも家でも「所有」することが価値だった。音楽コンテンツは、もはやスマホに所有することすらしない。

 一方、21世紀型の情報社会では、それ以前の時代の経験やノウハウは全く通用しない。その理由を猪子さんは、変化の「非連続性」にある、と言う。

「時代が大きく変わる時には、前の時代からシームレスに変化することはあまり起きません。前の時代の価値観が全く通用しない、という変化は『非連続』的に起きる。この十数年で世界中に起きているのが、こうした革命的な変化なんです」

 デジタル技術やネットワークは、人間の脳や能力を拡張する。猪子さんは、物理的な制約から解放された脳はさらに拡張する、と言う。

「パソコンは個人の計算能力や記憶力を補強したり拡張します。インターネットはTwitterで個人のつぶやきを拡張し、Googleは僕たちの知的好奇心を刺激し、Facebookは人間関係を拡張した。もう僕たちは、自分の脳を拡張させてくれることに時間をかけたりお金を払ったりするようになっているんです」

 チームラボの活動も我々の脳を刺激し、脳が刺激されて拡張することを目指している。猪子さんは、物質として存在しないものだからこそ、価値がある、カッコイイ、美しい、という新しい価値観を表現したい、と言う。

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