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2016.07.05

シチズン「エコ・ドライブ」40年の進化とクルマの未来

■連載/金子浩久のEクルマ、Aクルマ

 知人のお坊さんが新築した自宅の屋根にソーラーパネルを設置した。

「これで殺生を伴わないエネルギーを確保できました。僧侶として本望ですね」

 彼によれば、太古の昔のものとはいえ動植物の死骸の堆積による化石燃料も殺生のひとつなのだという。

「電気自動車も納車されるので、家庭内で使うエネルギーだけでなく、移動を含む生活エネルギーをなるべくソーラーパワーによってを賄うようにしていきたい」

 彼の話には、とても感銘を受けた。殺生による化石燃料を使いたくないという僧侶としての姿勢がとても現代的だからだ。お坊さんも現代に生きているのだから、電気も使えばクルマにも乗る。食生活だけ精進料理を食べているからといって済まされるわけではない。日常生活で使うエネルギーはなるべく殺生を伴わないものにしたいという彼の想いは現代の僧侶として先進的で模範的だと思う。トレンドを先取りしているから説得力がある。

 ただ、法律によって、ソーラーパネルで発電した電気は直接家庭のコンセントに流したり、クルマに充電したりできない点は、まだまだ彼の理想を完全に満たすまでには至っていない。ソーラーパネルやバッテリーの性能向上もさらに進まなければ、すべてを光発電で賄うこともできない。

 新しいトヨタ『プリウスPHEV』もルーフにソーラーパネルを装備しているという。そこからの発電だけで走れる距離は短いけれども、それもまた”殺生を伴わない”走行であることは間違いない。僧侶の知人の願いが新型『プリウスPHEV』が、より取り組みやすい別の方法ででも実現してくれた。僕も、自分のクルマがソーラーパワーで走ってくれることを強く夢見る。それが実現する時は、果たしていつ訪れるのだろうか。

 充電や燃料補給をすることなく、日常生活を送りながら太陽光から十分に充電できて、それだけで満足に航続できる。エネルギーをどこかから補うという概念そのものがなくなる。当然、製造段階を含めてのCO2排出量はゼロだ。かなり未来的な話になってしまって現実感に乏しいけれども、これが実は腕時計の世界ではすでに実現されているのである。

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