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2016.07.05

イギリス激動の1日そして1週間後をロンドン市内から振り返る

■連載/Londonトレンド通信

 残留になるだろうとタカをくくり、固唾を呑んで開票を見守るようなこともせず、普通に眠りについた国民投票日の翌24日、起きてすぐBBC1にチャンネルを合わせた。ご存知のとおり、結果はまさかの離脱。そこから激動の1日が始まった。いや、激動なのはイギリスの方で、こちらはテレビに釘付け、むしろ動かざること山の如し。でも山の中では天災を予知した動物が一斉に走りだすような状態、簡単に言えばパニクっていた。

 結果の衝撃も覚めやらぬ早い時間にデヴィッド・キャメロン首相の辞意表明会見。こうなったからには予想されることだったが、ナンバー10(首相官邸)の黒いドアからサマンサ夫人とともに現れ「新しいリーダーが必要」と沈痛な面持ちで語る首相を見ていると、次の首相が誰になるか含め、さらに不安が増す。

 そこに追い討ちをかけたのが、全地区で残留が勝っていたスコットランドが再度、独立を検討するというニュース。こちらは晴天の霹靂だ。一昨年、独立選挙の結果、イギリスに留まることが決まった際にはイギリス人でもない私でさえ安堵したものだ。もう、このあたりで離脱が間違った選択と考える人は有権者の半数を軽く超えていたと思う。

 その気分は残留が勝っていたロンドンに充満していた。離脱派の旗頭ボリス・ジョンソン元ロンドン市長が囲まれて罵声を浴びせられる映像も各局で流れ、誰が勝ち組だかわからないような投票になった。

 一連のニュース後、普段は見たこともなかったチャンネル4『The Last Leg』にチャンネルを合わせたら、これが思いがけず拾い物だった。オーストラリアのコメディアン、アダム・ヒルズを司会に、イギリスのコメディアン、ジョシュ・ウィディコムとイギリスのジャーナリスト、アレックス・ブルッカーのレギュラー陣にゲストを加え、ニュースをネタにする軽いコメディートークショーなのだが。

 司会のヒルズが「今日の出来事です。イギリスは投票の結果、EU離脱を決めました。スコットランドはイギリスから抜けるかもしれません。首相は辞意を表明しました。ドナルド・トランプは私たちが正しいことをしたと考えているそうです。ハリー・スタイルズ(ボーイズバンド、ワン・ダイレクションのメンバー)のソロ契約が報じられました」と切り出したのに、ブルッカーが「オーノー、なんて悪いことが次々に起こるんだ」と答える。

 その調子でヒルズが「今はユナイテッド・キングダムじゃないね」とユナイテッドしていない状態を指摘したり、ウィディコムが「政治家が夫人を伴って会見に出てくるのは、悪い兆候だよね。辞めるか、浮気したかのどちらかだもの」と首相会見映像にコメントしたりと、まあ、たわいもないものだ。
 
 それでも、EU離脱が間違った選択だったことを共通の前提としながら笑っている場の雰囲気で、ようやく肩の力が抜けた。政治家は民意に沿うものだし、報道は中立が原則、ニュースに登場する人はたいてい緊迫した顔をしながらも間違った選択とは言わない。そういう人たちを延々見続け、当初の不安は解消されるどころか凝り固まったようになっていたのだ。

 ちなみに、その日のゲストの1人はボリスの父親スタンリー・ジョンソンだった。息子に反して残留派のボリス・パパは、ザッピングして見ていたニュース番組中にもいたから、その日の人気論客だったようだ。

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