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2016.06.30

転職を「挫折」とみる人が多い理由

■連載/あるあるビジネス処方箋

 産業能率大学は、アンケート「2016年度新入社員の会社生活調査」を発表した。これは124社600人の新入社員558人から有効回答を得たもの。同大学は1990年度から継続して実施しており、今回はこれまでは違う結果が出たようだ。その1つが、転職から受けるイメージである。「キャリアアップ」と「挫折」のいずれかを選ぶことで回答をした。「キャリアアップ」と答えたのは58.4%、「挫折」が41.6%だった。

産業能率大学「2016年度新入社員の会社生活調査」より
産業能率大学「2016年度新入社員の会社生活調査」より

 ここ5~6年、「挫折」とする回答は増加傾向にあるようだ。今年は初めて4割を超え、過去最高となった。転職を否定的にとらえる新入社員が増えていることが浮き彫りになっている。このような結果は、20~50代の会社員にもいえることではないか、と私は感じている。決して、新入社員の考えが特別なのではない。今回は、なぜ会社員が転職を「挫折」とみるのかについて考えたい。

■自分の不満を解消したいから

 ほとんどの会社員は、何らかの不満をもっているものだ。上司や先輩、同僚、取引先、顧客などとの関係、労働条件、仕事の内容、会社の業績、ブランドや社会的信用などに対してだ。また、職場を離れて他の会社に移った人に何らかの嫉妬心やねたみを持つというのも、ある意味、当然のことかもしれない。他人の転職を心から祝福する人は少ないだろう。こういう時、その転職を「挫折」ととらえることで、自分の不満を解消することがある。たとえば、「あいつはウチの会社でいきづまったから辞めたんだ」などというように。つまり同僚が辞めた理由を「キャリアアップ」ととらえると、一段と嫉妬心が強まり、不満が蓄積されていく。それでは、毎日を健やかに過ごせない。

■そもそも辞めていく他人に対して関心がない

「挫折」とみる以前に、多くの社員は、退職する人が在籍中、どのような仕事をしてどのくらいの実績があったのかを正確に把握できていない場合が多い。どういう考えで会社を辞めていくのかもわかっていない。それでも「挫折」ととらえるのは、すでにその人に対する関心がないからだ。その程度にしか、他人のことをみていない。とりあえずは「挫折した」と受け止めるのが妥当だと思っているのだろう。

■功績を評価されることなく辞めていく

 本来、役員や管理職は、辞めていく社員の労をねぎらって、その社員の残した実績などを皆の前で説明するべきだと私は思っている。例えば、「○○さんは5年間在籍し、○○や○○といった仕事をして、こういう功績を残してくれた」というように。ところが、定年退職者はともかく、20~40代で辞める人に対しては、そのようなことをしている企業はほとんどない。送別会などがあったとしても、その功績や実績は称えられることなく姿を消していく人のほうが多い。つまりは“残念な”辞め方なのだ。

 これでは、残る社員が転職を「挫折」とみるのも無理はない。中には、役員や管理職などの幹部が「挫折」ととらえるよう仕向けているケースもある。「あの社員は、たいした功績などなく勝手に辞めていった」などと、他の社員に思わせようとしている場合すらある。組織の求心力を保ち、退職者を増やさないようにするためだ。

なぜ転職を「挫折」とみる会社員が多いのか?

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