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【社長の横顔】フジ医療器代表取締役社長・木原定男さん

2016.04.26

■過去の延長線上に明日はない―変革を続ける男が見据える未来

【社長の横顔】フジ医療器代表取締役社長・木原定男さん

 マッサージチェアの営業成績で顕著な業績を残した木原は、次第に家庭向けサウナを売り、80年代後半には、まだマニアックな商品だったサイクロン式の掃除機を売るなど、1営業マンに留まらない活躍を始めた。

「家庭用のサウナを売る時は『こんな高いもの誰が買う?』とか『日本の家は狭い』などと反対されました。でも、それはその人の尺度に過ぎない。例えば銀座あたりに行けば、普通の駐車場に停まっている車がベンツやBMWばかり。当然、高級車のオーナーは広い家に住んでいる。景気よく売れましたよ(笑)」

 なぜ、ビジネスの幅を広げられたのか。彼は「好奇心があるからだ」と話す。

「例えば、マッサージチェアのエアー機構は、私が創り出したんです。他社が、マットレスにエアーバッグを入れ、寝転がると腰が気持ちよく伸びる製品を販売していたのを見たんですよ。『空気を使うのは新しい試みだ!』と、すぐ自社でも開発に着手しました」

 これも「本当に気持ちいいのか?」と周囲から反対されたと言う。だが、布団にエアーバッグを8本入れ、強力なポンプで波打つ仕掛けの商品を創ると想像以上に売れた。

「そして、これを椅子に応用したんです。実は、技術的には難しかったんですよ。でも、過去の延長線上に明日はありません。大事なことは、常に好奇心を持って世の中を眺め、自己を変革していくことなんです」

 そして彼は、経営者になった今も、自己変革を続けている。聞けば、彼は経営者として、社内で叱ることはあっても怒ることがない、と言うのだ。

「そりゃ、あえて『怒って見せる』ことはありますよ。でも、本当に腹が立っているかといえば、そんなことはないんです」

 彼が笑って話を継ぐ。

「例えば部下が失敗したとします。でも、部下が失敗するような仕事を任せた自分が悪い。みんなが失敗しないように考えるのが経営者(上司)の役目でしょ(笑)。仮に、部下が『できません』と言えば、ダチョウ倶楽部みたいなもので『どうぞどうぞと言われたなら俺がやるか』と思うだけ。それで部下が『やればできるんだ』と思ってくれればしめたものです。アクティブに、自分が、自分が、と生きていれば、腹が立つことなんてないんです。部下を叱らない経営者などいるのか、と思われるかもしれませんが、自己を高めていけば、それも可能です」

 そんな彼には、具体的な夢がある。

「マッサージチェアを通して、もっとよい世界を創り上げたいんです。技術が進化すると、次々、便利な機械が生まれますよね。ただし、パソコンやスマートフォンは長時間使うと肩や首が疲れるなど、機械が体に優しいとは限りません。だから我が社は、文明の進化によって生まれたストレスを、技術力により取り除こうと思っているんです。現在のマッサージチェアは、人の手ではできない機能を持っています。例えば肩甲骨のストレッチをしながら足裏、ふくらはぎ、腕、腰を同時に揉めますし、機械に体型と好みのマッサージを記憶させれば、何も言わなくとも自分にぴったりの施術を繰り返してくれます。『できる』と信じていれば、本当に世の中は変わるんですよ。だって、私が入社したばかりの頃、マッサージチェアは、単純に『もみ玉』が上下する程度のものだったんですから」

【社長の横顔】フジ医療器代表取締役社長・木原定男さん

【プロフィール】
木原定男(きはら・さだお)/1947年、和歌山県生まれ。和歌山県立和歌山商業高校卒業し、東京のアパレルメーカーで働き、1968年にフジ医療器へ入社。西日本を中心に抜群の営業成績を残し、名古屋などの営業所所長を経て、1992年に営業本部長に就任。2002年から常務取締役などを歴任し、2012年11月より現職。従業員数900名超の企業を率いる。

取材・文/夏目幸明、黒宮丈治

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