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完成度は高いが“らしさ”が物足りないスズキ『バレーノ』

2016.04.14

■機械として優れているか ★★★(★5つが満点)

「XT」と「XG」で乗った感じがずいぶんと違う。「XT」の美点は低回転域から太いトルクを発生して加速力に貢献しているエンジン。「XG」は加速力が弱いだけでなく、CVTが加減速のダイレクト感を大いに損なっている。加減速やコーナリングで勝っているのはいずれも「XT」で、タイヤの違いにもよるけれども「XG」はどこか心許ない。試乗後に確認したところ、スズキの開発陣もその点は認識していた。

「JC08モードという燃費測定方式で優れた値が得られるのでCVTを採用しています。『XT』のエンジンが発生している最大トルク160Nmを許容できるCVTが用意できないので、『XG』には6ATを採用しています」

 両グレードとも運転席からボディ四隅を把握しやすく、4.9mという最少回転半径の数値以上に小回りが効くように感じるので運転しやすい。それらの反面、見た目はたっぷりしているのだが、クッションが弱く平板なシートは運転中の身体をしっかりと支える力が弱い。トランクの容積自体は大きくて好ましいのだけれども、縁の”敷居”がもう少し低ければ荷物の出し入れがしやすいはずだ。

完成度は高いが“らしさ”が物足りないスズキ『バレーノ』 完成度は高いが“らしさ”が物足りないスズキ『バレーノ』

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 アイドリングストップシステムが装備されていなかったり、すでに発売されている同社の『イグニス』には搭載されているアップルの「CarPlay」が搭載されていないのも理解できない。それについても訊ねてみたが明確な説明を聞くことができなかった。

■商品として魅力的か ★★★(★5つが満点)

 インドで製造しているが故のウイークポイントは一切見当たらなかった。しかし、反対にインドで製造している魅力も特に見出すことができなかった。大量生産によって製造コストを日本よりも抑えることができるのならば、例えばそこに注力し徹底的に簡素に仕上げることによって、100万円を切るとかすれば特徴を出せたかもしれない。反対に、インドで求められるラグジュアリーをプレミアム価格で展開しても面白いかもしれない。しかし、いずれにしてもこの価格と内容では中途半端な感は否めない。

 インドで大成功を収めているスズキなのだから、インドで製造し輸入する商品企画のメリットには通じているはずだ。スズキらしさをもっと発揮してほしい。

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■関連情報
http://www.suzuki.co.jp/car/baleno/

文/金子浩久

モータリングライター。1961年東京生まれ。新車試乗にモーターショー、クルマ紀行にと地球狭しと駆け巡っている。取材モットーは“説明よりも解釈を”。最新刊に『ユーラシア横断1万5000キロ』。

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