
東洋水産株式会社は昨年に引き続き、気象会社である株式会社ウェザーマップと共同で、全国の今年の冷し中華の始め時を「冷し中華前線」として発表した。これは、従来真夏に食べるイメージのあった冷し中華だが、本来の「食べ始め時」はいつ頃なのかということを消費者の人に伝えたいという考えから生まれたもの。
■冷し中華前線、昨年よりも勢いを増して一気に北上?
今年の「冷し中華前線」の形状は昨年と似ているが、冷し中華の食べ始めとなる前線到達の時期に違いが見られる。まず昨年は鹿児島の食べ始め時期が4月1日だったのに比べ、今年は4月7日と予測しており、少し遅くなっている。また、本州への前線到達はそれに対して早くなっており、2015年は4月19日の東京を皮切りにしていたが、2016年は名古屋へ4月15日に上陸、その後東京(4月19日)・大阪(4月24日)・広島(4月25日)・新潟(5月8日)・仙台(5月20日)・青森(5月29日)と移り変わっていく模様。本州以外の地方では、九州・福岡に4月23日、北海道・札幌へは6月2日にそれぞれ前線が到達すると予報されている。
ウェザーマップ所属の気象予報士である久保井朝美さんによると、「昨年からの暖冬の流れを汲んでこの春も全国的に高温を維持すると予想されるため、冷し中華前線は昨年に比べると、スタートが1週間程度早くなるところもあり、西日本から東日本の太平洋側ではゴールデンウィークに入る前頃には冷し中華の食べ頃を迎える見込みです。夏は、特に西日本は暑くてムシムシした気候になりそうですので、サッパリした冷し中華がより美味しく感じられそうです。」とのことで、一般的には真夏に食べるイメージが強い冷し中華だが、5月の連休前から家庭で楽しむことをオススメしている。
■「冷し中華前線」とは
1日の最高気温が25℃以上の一般的に「夏日」と言われる日より前から、冷し中華が売れ始めることに着目。気象状況と冷し中華商品の売れ行きの相関関係について、東洋水産とウェザーマップにて分析・議論を重ねた。消費の観点から主要都市における冷し中華商品の購買動向と、気象の観点から気温や相対湿度、風速データなどの相関性を分析した結果、1日の最高気温が7日平均で20℃を超えてくるタイミングを“冷し中華の始め時”として設定したもの。