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2016.04.03

世界中で「爆買い」に走る中国人旅行者をどう利用する?

日本には中国から大勢の観光客が訪れており、日本全国各地で彼らを見かけることができる。その結果、各地で大量の買い物をしていく「爆買い」が発生。ダイナミックな買い物に圧倒されるばかりだが、これは日本に限らず世界各地で起きている現象だ。

ユーロモニターは今回、「世界中で『爆買い』する中国人旅行者」に関する報告書を発表した。中国は、消費支出額において、2011年に日本を抜いて世界2位の規模になった。中間所得層の増加や人民元高により、国内・近隣国への旅行だけでなく、海外旅行を楽しむ人が急増。

また、中国人旅行客を受け入れる側の国々が相次いで、ビザ要件の緩和や、UnionPay(銀聯)カードの取り扱い店舗・ATMの増加、中国語対応可能な店員の配置などの受入体制を整えていることも、各国への中国人旅行者の流入を後押ししている。本報告書では、世界各国で中国人旅行者が何に消費を向け、各国がどのように彼らの需要に対応しているのかを取り上げるとともに、今後彼らの需要を取り込みたいと考えている行政や企業に求められる対応を解説。

また、既に変容を見せつつある中国人旅行者の旅行・消費スタイルにどのように対応していくべきかについても検討している。以下に、調査結果の概要をお伝えする。

「世界中で『爆買い』する中国人旅行者」に関する報告書

■中国から見た国外への旅行者動向

地理的な近さとアトラクションの多さから、中国人にとっては香港とマカオが最もポピュラーな旅行先。しかし、税金の節約のために香港で大量の買い物をする中国人に反感が高まっていることや、中国政府がマカオのカジノ産業における違法な金銭取引を取り締まり始めたことから、中国人旅行者は他の地域にも足を向けるようになっている。

中国人にとって海外旅行先での主な消費は「買い物」。全世界平均で見た海外旅行先での消費は、1位が宿泊費、次いで飲食、買い物となっているのに対し、中国人の海外旅行での消費は「買い物」が圧倒的な割合を占め、次いで飲食となっている。最近中国政府により導入された「2.5日週末」運動(従業員に対し金曜の午後の休暇を与えた企業は政府からインセンティブをもらえる)などが後押しとなり、経済の低迷が懸念されている状況でも、中国国外への旅行者は今後も増加していくとみられる。

■中国人に大人気の観光地タイ

タイへの中国人旅行者の数は、2010年以降急増している。特に2012年に中国で公開された“Lost in Thailand(人再囧途之泰囧)”というコメディ映画が、中国人のタイへの関心を一気に高めることになった。この映画でタイの風景や文化が紹介されたことで、中国からの観光客が2012年から2013年にかけて1.6倍に急騰し、年間の中国人旅行者数が460万人を超えた。

タイの政府観光局 は、2015年には700万人を超えると予想している。観光はタイ経済において重要な位置付けにあり、2015年ではGDPの9%を占めている。この意味で、タイの経済は中国人旅行者に大きく依存していると言える。

タイにおける中国人の人気エリアは、買い物に便利なバンコク、“Lost in Thailand”の撮影場所であり大自然を楽しむことのできるチェンマイ、プーケットおよびその周辺の諸島。タイにおける中国人旅行者の一番の消費は「買い物」であり、中国国内の高い輸入関税を逃れて、バンコクで大量のブランド品が購入されている。

しかし、中国の経済状況の変化に伴い、社会的価値観も変化している。特に「Millennial(ミレニアル)世代」は、物よりも経験・体験、自己表現を重視する傾向にあり、彼らの消費が高級ブランド市場にも影響を与えている。上海にあるLouis Vuittonは、顧客がオーダーメイド製品の完成を待つためのプライベート空間を用意し、Christian Diorは顧客がファッションショーをバーチャルリアリティで楽しめるヘッドセット“Dior Eyes”を導入するなど、店内での買い物体験を充実させる取り組みを行っています。

中国経済の不透明な状況がありつつも、2015年11月にビザ要件が緩和されたことや、2020年には中国とタイを結ぶ鉄道が開通することなどから、引き続きタイは中国人にとって人気のある旅行先であり続けるだろう。

■中国人旅行者が急増しているアメリカ

2010年から2014年にかけて、米国を訪れる中国人旅行者の数は倍増した。買い物や食事、美術館や国立公園、ビーチ、テーマパークなど、旅行先として魅力ある場所が数多くあるだけでなく、ニューヨーク・サンフランシスコに在住する中国人(学生を含む)が多いことから、家族や友人を訪ねてくる人も増加している。

他国の例に漏れず、中国国内の高い輸入関税を逃れるため、Tiffanyなどの高級ブランド店が中国人旅行者で賑わっている。あらゆる高級ブランド店が、 北京語・広東語を話すことのできるスタッフの採用に力を入れているだけでなく、大手免税店チェーンのDFS Galleriaは、中国人旅行者に人気のある商品を分析し、商品ラインアップを入れ替える取り組みをしている。

Institute of International EducationのOpen Doorsレポートによると、2010年は米国に留学している中国人学生の数は127,628人でしたが、2015年には304,040人と倍以上に増加している。これは2015年に、米国で学ぶ留学生のうち31%を中国人が占めていることになる。今後も留学生の数が増加すれば、彼らを訪ねてくる家族や友人など、長期滞在型の旅行者が増えていくだろう。

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