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浅田真央は“懐メロ”戦略!?「選曲」から始まっているフィギュアスケートの戦い(2016.04.01)

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 現在「フィギュアスケート世界選手権2016」がアメリカ・ボストンで開催中だが、シーズンごとに話題になるのが、プログラムでの使用曲。フィギュアスケートは、採点項目にはスケート技術だけでなく「音楽の解釈・表現」も含まれている表現芸術の競技でもあるので、その土台となる選曲は演技の方向を決めるきわめて重要な要素になる。

浅田真央
Jiji Press Photo

 長い間ショートプログラム(SP)の使用音楽には「歌詞なし」の規定があったのだが、前シーズンにルールが改正され、SPは「ヴォーカル曲解禁」という大きな転換期を迎えた。歌詞がある曲ならば表現の幅がさらに広げられるということなのだが、言い換えればそれまでクラシックがほとんどだったところに、ポップス曲=ヒット曲をそのまま使えるということでもある。歌詞があればそのストーリーに乗せて感情表現も伝えやすく、よく知られている曲であれば共感も得やすいだろう。だが逆に幅が広いだけに選択も難しいようで、ヴォーカル初解禁の前シーズンには何人もの選手が同じ「オペラ座の怪人」を使うという事態になってしまったことも記憶に新しい。

 さて、今回も大活躍が期待される浅田真央選手の今シーズンのSP使用曲は「素敵なあなた」。前シーズンは彼女は休養中だったので、これが初のヴォーカル曲となった。この「素敵なあなた」は、いわばアメリカの「懐メロ」である。意外ともいえる選曲だが、懐メロというのは「名曲」の別名ともいえる。1930年代にアメリカの国民的グループ「アンドリュース・シスターズ」がミリオン・ヒットさせ、その後にはスイング・ジャズの王様ベニー・グッドマンが好んでとり上げている。

アンドリュース・シスターズ

 さらにジャズ・ヴォーカルの「女王」エラ・フィッツジェラルドをはじめ、ジューン・クリスティら多くのアーティストが歌い、日本でも桃井かおりや吉田日出子らがレコードを残している。世界じゅうで長年の間に数多くのアーティストがカヴァー・レコードを出し「スタンダード化」しているわけで、日本だけではなく世界を相手に考えるとその認知度は近年のヒット・ポップスの比ではないだろう。

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