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2016.03.30

ボルボの新パワートレイン戦略「DRIVE-E」の真価を探る

■連載/金子浩久のEクルマ、Aクルマ

ボルボの新パワートレイン戦略「DRIVE-E」の真価を探る

 ボルボの新パワートレイン戦略「DRIVE-E」(ドライブ・イー)が進展している。「T4」から始まり、「T5」、ディーゼルの「D4」、ターボとスーパーチャージャーを1基ずつ装備した「T6」、T6をプラグインハイブリッド化した「T8」、T4の4気筒をショートストローク化して1.5Lとした「T3」と、戦略に基づいたエンジンとトランスミッションが次々と各車に搭載されている。

ボルボの新パワートレイン戦略「DRIVE-E」の真価を探る ボルボの新パワートレイン戦略「DRIVE-E」の真価を探る

 エンジンは自社開発・製造の4気筒に限られ、それにターボチャージャーやスーパーチャージャーで過給することもあれば、モーターとバッテリーを組み合わせてPHEV(プラグインハイブリッド)化することもある。その4気筒はガソリンとディーゼルの両方が用意されている。そして、生産の効率化のために、ガソリンとディーゼルそれぞれの基本構造を極力共用化するように努め、実際に25%は共通部品を用い、50%は類似部品が用いられている。

 異なるのは、たったの25%だ。この数字は驚異的だ。ガソリンエンジンとディーゼルエンジンは作動原理が大きく異なるために使用される部品で共通するものは、これまではとても少なかったのだ。一般的にもガソリン直噴化などの技術進化もあって両者は近付きつつあるけれども、それを強く推し進めたのが「DRIVE-E」だ。ボルボに限らず、自動車メーカーは4気筒、5気筒、6気筒、8気筒、はては12気筒と気筒数を増やし、さまざまな形式のエンジンを生み出してきた。ボルボだって、ちょっと前までは直列6気筒やV型6気筒、V型8気筒を採用していた。しかし、「DRIVE-E」戦略では潔くそれらをかなぐり捨てて、これからは4気筒だけで行くと宣言した。

 4気筒で足りない場合には、これまでのように6気筒や8気筒と増やしていくのではなく、気筒数は4気筒に限り、過給と電動化で賄うことに決めた。その決断に大きな意味があったと思う。ボルボは数年前にフォードグループから離脱した。そのことが「DRIVE-E」戦略を生み出したと言えるだろう。フォードのような巨大な世界企業傘下にあると、良いこともあれば不自由なこともある。フォードの持つ技術や装備を使うことができれば開発コストを節約できる。当時のフォードはボルボとともに、傘下にマツダやジャガー、ランドローバーなどを抱えていたために、お互いのリソースを融通し合うことが可能だった。

 しかし、そのことは“束縛”にもなる。独特なクルマを構想しても、グループ内のリソースを活用できなければ企画倒れに終わってしまう。フォードから離れれば恩恵を受けられなくなるが、反対にその枠に捉われることなく自由に企画できるようになる。当然、自由とはリスクと表裏一体だ。開発陣はエンジンと電動化技術の潮流を見定め、戦略を固めた。多くの台数を望むのではなく、プレミアム路線で進むことも決めた。過去のしがらみに縛られることがないので、DRIVE-E戦略の方向性は非常に明確に見える。

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