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【仕事の処方箋】うつ病の社員が職場で救われない理由

2016.03.08

■連載/あるあるビジネス処方箋

 今回は、うつ病の社員が職場でなかなか救われない理由について考えてみたい。以前、社会保険労務士(以下、社労士)が、自らのブログに「社員をうつ病に罹患(りかん)させる方法」と題する文章を載せ、大きな批判を受け社会問題となった。社労士が、報酬を受ける会社の側に立ち、助言をすることは当然といえば当然である。しかし、うつ病の社員を精神的に萎えさせてしまうような助言は好ましくない。今回は、うつ病の社員が救われない理由を考えてみよう。

■人事部が現場に丸投げ

 うつ病の社員に限ったことではないが、会社として、病気やけがをしている社員に対しては、一定の配慮が必要である。役員や人事部などは、営業や広報、企画、システム、工場など、現場の部署の管理職にきちんと教え込まなければならない。例えば、「うつ病の社員がいる場合、このように対処するように……」といったものである。

 ところが人事部などがそのような指示すら出さず、該当部署の管理職に丸投げしてしまうケースがある。つまり、管理職は予備知識も対処法も知らないまま、うつ病の社員に接しているのだ。これではトラブルが発生する可能性が高くなる。事情をわかっていない人事担当者が、対処法を熟知していない管理職に委ねているようでは、解決するのはまず不可能だろう。

■業績が上がっていれば管理職は責められない

 ここ十数年、企業にも成果・業績主義が浸透している。管理職が最優先で取り組むことは、部署の業績を目標レベルに上げること。部下の育成や指導も大切だが、まずは、業績をアップすることが求められる。管理職が昇格する時も、業績を上げたどうかかが重視されるケースがほとんどだ。「部下をきちんと育成した」という実績が評価されて、例えば、課長、部長から本部長や役員に抜擢されるケースは聞いたことがない。

 このような状況では、うつ病になった社員が現場で放置されてしまう可能性が高い。会社を休みがちになったり、入院したり、休業したり、退職をしたとしても、業績さえ上げていれば、その管理職は評価される可能性が高い。ここに、うつ病の社員が救われにくい下地があるのだ。

■病になった原因を調べようとしない

 社員がうつ病になる理由は様々だ。病になった状況が「結果」だとすると、そこに至るまでの「原因」があったはずだ。これを見つけるのは、難しいことかもしれない。たとえ、精神科医であったとしても、正確に把握することはできないかもしれない。だからといって、会社がそのままにしておくべきではない。うつ病になる社員を増やさないためにも、原因を可能な限り明らかにし、今後に生かすべきなのだ。

 日本の企業には、原因を突きとめ、次に生かすという文化や思想が浸透していない。そのようなことをあえてしない会社すらある。「原因」を調べると、経営側や管理職の側にとって不都合なことがあるからだ。つまり、曖昧にしておくことで、責任の所在を明確にしないのだ。そのため、うつ病になったという「結果」だけを取り上げ、それ以上、深入りさせないようにしようとすることがある。これでは、永遠にうつ病の社員が救われない。

【仕事の処方箋】うつ病の社員が職場で救われない理由

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