
ここ数年、ジワジワと人気が出始めていたディーゼル車が一気にメインストリームへと飛び出そうとしている。そこで、日本と欧州を代表する人気モデルをピックアップ。経済性、走行性能、実用性を確かめてみた。
マツダが同社の「スカイアクティブ」技術の一環として新世代ディーゼルを国内市場に投入したのが2012年。以来、次々と車種展開を行ない、その優れた性能によって、一気にディーゼルエンジンの認知度が高まった。しかし、国内メーカーはハイブリッドやEV(電気自動車)の開発に躍起だったこともあり、マツダを追従することはなかった。
一方、輸入車はメルセデス・ベンツやBMWがいち早く日本市場にディーゼルを投入。一定の支持を得ていたが、そこにマツダが加わったことで一気に注目度が上昇。燃費効率がよく、使用燃料は軽油なのでレギュラーガソリンよりもリッターで20円以上安いことから人気となった。それだけでなく、クルマとしてパワー、トルクがあり、低回転域からも速いということでユーザーの支持を広げた。
国内メーカーはマツダの孤軍奮闘状態だが、欧州で実績のある輸入車勢が次々と日本にディーゼル車を投入する。今後、フォルクスワーゲン、プジョー、ジャガーが参入する予定だ。そんな中、ボルボも今年7月、ディーゼルを5車種にラインアップ。それもスポーツ性能を強調したモデルが中心だ。今回はボルボ『V40 クロスカントリーD4』とマツダ『CX-3』のディーゼルを比較試乗した。
◎スポーツカー並みの走りを追求した2台
ボルボ『V40』はラゲージスペースを重視したワゴンタイプのコンパクトカー。その『クロスカントリー』は最低地上高がノーマル車より10mm高いモデル。2L、190PS、400Nmのディーゼルターボ+8速ATのFF車だ。
一方『CX-3』は『V40クロスカントリー』より全長が95mm、全幅が35mm短く、全高は80mm高い。1.5Lの、105PS、270Nmのディーゼルターボ+6速ATで、4輪駆動を組み合わせた。それでも全高は1550mmに抑えており、立体駐車場にも収まる。
カタログ燃費は『V40』が21.2km/L、『CX-3』が21.2km/L。乗り比べた印象だがボルボの2Lディーゼルターボは、かなりスポーティーなセッティング。サスペンションも硬めで乗り心地も上下動がキツい印象。こういうディーゼル車は国産車にはない。0→100km/hの加速は7秒台。この数値も2Lスポーツカー並みだ。
『CX-3』もスポーティー感は十分だが、実用SUVの域は出ていない。だが、このボディーに『CX-5』の2.2Lを搭載したら……と想像してしまった。ディーゼルの大いなる可能性を秘めた2台であることは間違いない。
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