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2016.03.01

【仕事の処方箋】なぜ、企業は採用試験の受験者の過去を調べるのか?

■連載/あるあるビジネス処方箋

 会社の採用試験を受ける時、自分の過去を調べられているのではないか? こんな質問を受けることがある。特に、中途採用の試験を受ける人に、そんな不安を持つ人が多いようだ。結論からいうと、それは「グレー」であり、誰もがはっきりとはいえないものである。過去を調べることは「前歴照会」ともいわれる。法律に抵触する可能性があり、プライバシーの侵害ととられる可能性もある。本来は許されないはずのことだが、私は長年、様々な企業やビジネスマンを取材してきて、このようなことを行なっている会社は今なお存在する、と思っている。今回は、なぜ企業が採用試験にエントリーした人の過去を調べるのか、企業側の目的について触れたいと思う。

■個人情報は保護されるべきだが…

「個人情報保護法」の影響もあり、採用試験の際、会社はエントリーした人の過去を調べることが難しくなっているといわれる。この法律が制定されるよりも前は、新卒や中途の採用試験の時、会社がエントリーした人の過去を調べることもあり、問題視されてきた。裁判に発展したケースもあるほどだ。以前は、信用調査機関に依頼したり、人事部員がエントリーした人が勤務していた会社に問い合わせて、調べていたといわれる。現在は、ここまで露骨なことは減っているようだが、私が企業の人事担当者や人事コンサルタント、社会保険労務士、弁護士に取材で接していると、その2〜3割は「会社は今も、何らかの方法で調べている可能性が高い」と話す。個人情報やプライバシーは保護されなければいけないのだが、そうではない場合もあるのかもしれない。

■過去を知ろうとする理由

 会社が、エントリーした人の過去を知ろうとする理由のひとつに、その人が以前の勤務先などでトラブルを起こしていないかどうかを把握したいという目的がある。例えば、このようなことだ。

「上司と激しくぶつかり、辞表すら出すことなく辞めていないか」
「取引先やクライアントと衝突し、大きな損害を与え、実は辞めさせられたのではないか」
「面接の場では、自らの意志で辞めたと話しているが、実は解雇になっていたではないか」

 本来、こういうことは面接でエントリーした人に面接官が直接、確認するべきなのだ。しかし、面接では本当のことがわからないということで、人事部員などが過去を調べることがあるという。特に、転職回数が多い人や、面接での回答(退職理由や前歴での仕事や人間関係など)に説得力がない人がいた場合、調べる傾向があるようだ。ただし、過去を調べたからといって、前の会社でのトラブルを正確に把握することはかなり難しいのではないだろうか。

■本気で採用をしたいから、調べる

 実は私も、その昔、転職をした時、調べられたことがある。転職先の会社の上司から、それとなく聞いた。このような経験を元にいえば、会社がエントリーした人の過去を調べる時、「採用したい」と真剣に思っているからである。例えば、筆記や面接の点数が著しく低いようなら、あえて調べるまでもないだろう。調べるとなると、当然、コストがかかる。それでも調べるというのは、「活躍してくれそうな人材」と判断したからこそである。念を押す意味で、過去を調べるのだ。

 特に、最終面接(役員面接)の前に、数日間から1週間以内で、人事部員が調べる場合が多い。役員たちが、「この人を採用しよう」と判断してから、過去を調べたのではタイミングとして遅いからだ。言い換えると、役員面接には、「内定を出しても大丈夫」といえるような安全な人を並べるのが“人事部の仕事”なのである。過去を調べることは法律に照らし合わせると、好ましくない行為である。しかし、そのようなことをしてでも、優秀な人材を獲得したいと願う会社もある、とみるべきかもしれない。

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