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2016.02.13

母乳育児の促進で年間82万人の乳児の命が守られる

 医学専門誌『ランセット(The Lancet)』が発表した論文の新シリーズによると、よりよい母乳育児の実践を促進することによって、年間82万人以上の子どもたち(うち9割は6カ月未満の乳児)の命を救える可能性がある、ということが明らかになった。母乳育児の増加により、5歳未満児の主な死因である、下痢の症例の半分近くを、そして呼吸器感染症の症例の3分の1を防ぐことができるという。

母乳育児

 ランセットの論文では、母乳育児の実践期間が1年増すごとに、母親の浸潤性乳がんの発症リスクが6%減少するということも示している。現在の母乳育児率から算出すると、毎年乳がんによる死亡を2万件近く防止できていることになるが、母乳育児の実践が促進されることで、この数は倍増する可能性がある。より長期的な母乳育児は、卵巣がんの減少にもつながる。

「母乳育児に投資することは、経済的に豊かな国、貧しい国どちらにおいても、女性と子どもの健康に多大な効果があるのです」と、ユニセフの栄養部長のウェルナー・シュルテンク氏はコメントしている。「論文は、母乳育児は子どもたちの生存、健康、成長、発達の要であり、より豊かで持続可能な未来の実現に貢献するということに関し、決定的な証拠を提供しています」

 また、ユニセフによると、ランセットの論文では、低所得、中所得、高所得の国いずれにおいても、母乳育児が女性や子どもの命を守る効果を有することを裏付けている。母乳育児は、高所得国において乳幼児死亡率を減少させる。乳児突然死の36%の減少と、未熟児の子どもに最もよく発生する腸疾患の60パーセント近くの減少につながる。より長期間にわたる母乳育児で育った子どもについては、その後の過体重や肥満のリスクも減少する。

 今回の論文は、母乳育児の欠如に関連して生じる認知障がいが、所得能力に影響を与え、その損失が年間3020億米ドルに達すると報告した。低所得・中所得国では年間700億米ドル以上が、高所得国では年間2300億米ドル以上が、母乳育児の実践不足により損失となっている。ユニセフは、母乳育児の実践が母親や子どもの健康に与える複数のメリットや潜在的な経済的利益が、母乳育児を推進し、支援するための政府の政策や事業の後押しとなると述べている。

 このことは、特に働いている母親にとって重要なこと。早期の職場復帰は母親が母乳育児を行なう機会を減らす一方で、およそ60%の国で、出産育児休暇がILO(国際労働機関)の推奨する最低14週間という基準に達していない。母乳育児を行っている母親が仕事に復帰しても、母乳を与えたり、搾乳したりするスペースが職場に用意されていないのだ。

 ユニセフのシュルテンク部長は、母乳育児率の改善は「持続可能な開発目標」の多く、特に健康や子どもの生存、教育に関連する目標を達成するための根本的な原動力になるという、ランセットの結論を強調する。

「母乳育児は貧富にかかわらず、すべての子どもたちが最も健康的な人生のスタートを切るための、最も自然で、費用対効果が高く、環境にやさしく、容易に利用できる方法です。それを最優先にすることは、関係するすべての人々にとって互いに利益になるのです」

 

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