プレゼン資料や営業資料のグラフや図表作成のヒント
いつも作っている資料に載せるグラフや図表に対して、「複雑でわかりにくい」「もっと見栄えよくしてほしい」と言われた経験はないだろうか。一度このような評価を受けると、どうしてもグラフや図表作成はむずかしいというネガティブな印象を持ってしまいがちだ。
そこで、情報を可視化することに特化している「インフォグラフィック」の制作工程から、グラフや図表作成のヒントを探るべく、インフォグラフィック制作サービスを提供する株式会社エコンテのインフォグラフィックディレクター中内ゆりさんに、グラフ・図表作成のコツを教えてもらった。
■「インフォグラフィック」はにぎやかなビジュアル化が目的ではない
「インフォグラフィックは、一般的な資料のグラフや図表と異なり、デザインソフトを使って作るのが通例ですが、ポイントを理解して作れば、資料にもインフォグラフィックの制作のコツを応用することができます」
インフォグラフィックといえばデザイン性に優れている高度な制作物というイメージがあるが、実は重要なのは見た目ではないという。
「よく誤解されることですが、インフォグラフィックの目的は、にぎやかなビジュアル化やアイコン化ではなく、情報を見る側の気持ちになって表現することです。例えば、人数のデータで“50%の人が”という数値があった場合、“2人に1人が”と言い換える。これだけでもイメージしやすいですよね。これを人間のアイコンを使って表現すれば、より分かりやすくなります」
ひとつ例として、簡単なインフォグラフィックを作成してもらった。上記のインフォグラフィックは、エコンテが過去に行った、タバコに関する調査において、男性は26.2%の人がタバコを吸うというデータを元にしたものだ。
これを、人間のアイコンで表現すると、上記のようになる。「26.2%」を「5人に1.3人」と言い換えることで、タバコを吸う人の割合が、よりイメージしやすくなった。このように、分かりやすく図式に変換することが、インフォグラフィック作成の一番のコツといえそうだ。
「“このデータは円グラフと棒グラフのどちらがいいのだろうか?”と考えるときも、何と何を比較したいのか、このグラフを通して何が言いたいのかという、見る人の気持ちになってグラフの種類を選ぶことが重要です。このような“情報のビジュアル化”のプロセスは、一般的な資料のグラフ・図表作成にそのまま応用できると思います」