◎ロシア旅行は予想以上にお手軽
ロシアは近くて遠い国と言える。日本の隣国であるにもかかわらず、旅先としてはなかなか候補に挙がりにくい。距離こそ近いものの、精神的なハードルの高さが付いて回るのは、きっと先入観もあるのだろう。
例えば、旅行者の間でしばしば槍玉に上がるのがビザの問題。あらかじめ旅程を確定させ、それを証明するバウチャーを提出しないとビザが発給されない。自由な旅を志す個人旅行者にとって大きな懸念材料だったが、今はだいぶラクになった。ロシアの旅行会社のサイトから簡単にバウチャーを申し込めるのだ。手数料(15ユーロ程度)はかかるが、決済が完了すると即座にPDFで発行される。ロシアのビザ自体は無料だ。
また、ロシア国内の鉄道の切符予約に関しても、すべてネットで完結する。以前に現地の駅の窓口で切符を買おうとして、英語が全然通じず途方に暮れそうになった経験がある。ネットなら、そんな心配も無用だ。日本の旅行会社で手配を頼む方法もあるが、定価の倍以上の料金を取られたりするので、自力で予約したほうがいいだろう。
今回乗ったのは、ウラジオストクからハバロフスクまでを走るオケアン号という列車で、2等寝台の料金が1万円弱だった。ついでに書くと、航空券代も6万円ちょっとと、アジア旅行と同レベルである。ホテル代を加えても、トータルで10万円もかかっていない。意外に近く、そして安いことにも驚かされたのだった。
【START:ウラジオストク】シベリア鉄道の東端駅から出発
駅に改札はなく、乗車時の切符の確認もない。パスポートを提示すると、車両ごとに常駐する車掌さんが名簿と照らし合わせていた。
長旅でもストレス無用の快適な車内
2段ベッドの下段を持ち上げると、スーツケースを収納できるスペースが。読書灯や網棚なども用意され、客室は機能的なつくりだ。