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ハイレゾ音源を聴くと、脳は“快感”に包まれる?(2015.06.29)

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 最近、音楽の世界でよく耳にするハイレゾ音源だが、これはCDスペック(44.1kHz/16bit)を上回る高音質オーディオのことを指し、その臨場感あふれる音は、既に数年前から音楽コアファンの心を掴んできた。それがこの半年でハイレゾ音源対応の楽曲数は前年の2倍に、また2013年ソニーから発売されたハイレゾ音源に対応したウォークマン「ZX1」は7万円を超える価格にも関わらず予約が殺到し品切れになる等、一般の人々からの需要も高まり、音楽市場を活性化させる技術として期待が高まっている。

 このような盛り上がりをみせるハイレゾ音源だが、実は人間の耳の可聴帯域を越える周波数も含む音源でもある。そのため、「人はハイレゾ音源と従来の音源を聴き比べても、その良さや違いを明確に認識できないのではないか」という声もあった。しかし聴取の感想として「確かに音が良い」と感じる人も多く存在していることも事実であり、このハイレゾ音源が求められる要因は、単なるブームなのか、「それ以上の何か」が秘められているのかが、ハイレゾ音源の人気を語る上で注目の論点となっていた。

  株式会社電通サイエンスジャムは、鼓膜では聞き取れないとされる高周波を含むハイレゾ音源をヘッドホンで聴いた場合、「(圧縮音源に比べて)脳が快感を感じる」という実験結果を、国立大学法人長岡技術科学大学(新潟県長岡市)と共同でまとめた。

ハイレゾで脳は「快感」を約1.2倍、「安心感」を約3倍強く感じ、さらに「不快感」を約4割、「不安感」を約3割減少させる

 今回実施したのは、長岡技術科学大学の中川匡弘教授と電通サイエンスジャムによる「ハイレゾ音源と従来の圧縮音源それぞれを聴いたときの脳活動の変化を明らかにし、誘発される感性を計測する」共同研究だ。ソニーマーケティング株式会社から実験機材を提供してもらい、厳格な条件のもと音源の聴き比べを行なったところ、「ハイレゾ音源は従来の圧縮音源と比較して、脳に強い快感及び安心感を与え、不快及び不安を減少させる」という、大変興味深い結論が導き出された。

  この共同研究では、10名の性年代様々な音楽好きの被験者を集め、どちらの音を聴いているのか伝えない状態で「ハイレゾ音源」「CDレベルの圧縮音源」それぞれをヘッドホンで聴いてもらい、脳で感じる「快感」「不快感」「安心感」「不安感」などの感性変化の度合いを測定した。その結果、CDレベルの圧縮音源を聴いたときと比較して、ハイレゾ音源を聴いたときのほうが、脳は「快感」を約1.2倍、「安心感」を約3倍強く感じ、さらに「不快感」を約4割、「不安感」を約3割減少させる、ということが明らかとなった。

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  つまり、ハイレゾ音源は耳だけでなく、脳でしっかりと感じ取っている、心に届いていることが判明し、かつ同じ音楽を聴く場合であっても、「気持ちいい、心地よい」などのポジティブな感情をハイレゾ音源の方が本能的に強く感じてしまうということが判明した。今回の共同研究の結果は、その「何か」に対するひとつの解答になったのではないか。

  今後も注目を集めるであろう、このハイレゾ音源は、人の抗えない本能を刺激するものであることから、さらに人気を集め、求められ、音楽の新たな豊かさ、その価値を提供してくれる可能性を秘めているのかもしれない。

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