サンカ社が提供するワークフローとは仕事(ワーク)の流れ(フロー)を指し、作業プロセスのテンプレートでもある。ワークフローを効率的に管理・自動化することで、組織の生産性向上、コスト削減、事業成長を実現可能にする。
企業にとってメリットがあるだけでなく、社員にとってもワークフローは便利なツールだ。自分の仕事が明確になるため、作業効率が上がるし、ミスも少なくなる。早く仕事が終われば、残業せずに済むし、休暇も取りやすい。
システム開発会社のサンカは組織にあるアプリ・データと連携し、全てのタスクを効率化するツールを開発した。AI・ワークフローで作業にかかる時間を減らし、人類の生産性を飛躍的に高めるという。
2023年6月にサンカを創業した金海寛(キム・ヘガン)さんに、ワークフローの重要性と、新しいソリューションの特徴などについて聞いてみた。
日本のマーケットのポテンシャルは高い
――最初に日本のマーケットの印象について教えてください。
金海寛さん 外資系企業に勤務した後、独立してサンカを設立しました。これまでの体験から、いろいろな立場から見た日本の労働市場における印象はというと、やはり生産性の低さ、長時間労働、アイデアがトップダウンであるという点が挙げられると思います。特に、生産性の部分と、若く優秀な人材が活躍できない点は大きな課題です。「出る釘は打たれる」のでしょうか。
一方で、マーケットの可能性は高いと感じていて、海外投資家たちは、日本の市場を本当に正しく理解していないと感じることも多いです。私どもは多くの日系企業と取引がありますが、どの企業もポテンシャルはとても高いです。
――課題はどんな点にありますか?
金海寛さん 日本でもDXは進展したと言うけれど、紙文化はまだあるし、不必要な稟議のプロセスも残っていて、まだ効率化できる部分はたくさんあります。
また、海外と取引する上での、言語の壁も大きい。(多くの海外のビジネスパーソンは)ガラパゴス化した環境で、どうやって新しいイノベーションを生んでいくか、という目で見ています。
とはいえ、マーケティング、ノウハウ、知識の部分でも、これからもっと言語の壁が低くなるでしょう。翻訳にAIが活用されれば、最新のテクノロジーがすぐに日本でも使えるようになり、どんどん浸透が早くなる。そうなれば、日本企業が海外で活躍するチャンスはあります。
中でも、私が日本のマーケットで優れていると感じている点は、顧客を大切にするということ。特別な一社だけでなく多くの企業が顧客管理を徹底させています。海外だと一社一社のケアはほとんどなく、日本の「サービス精神」と呼ばれるものも少ないです。