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5類移行で回復しつつあった水産関連業界の景気はコスト高騰や禁輸措置で悪化傾向に

2023.10.30

8月の中国向け水産物輸出額は前年同月から65.7%の減少

最新の水産物の輸出動向をみると、2023年8月の水産物輸出額は前年同月比8.2%減の288億円だった。

主な輸出先は中国・香港で全体の4割近くを占めており、8月下旬から行われた中国による禁輸措置によって、水産物の輸出に大きな影響が出ている。

農林水産省によると、8月の中国向け水産物の輸出額は、同65.7%減の36億円だった。品目別では、ホタテ貝(生鮮、冷蔵、冷凍等)が同77.9%減の大幅な減少。

中国の禁輸措置の長期化を見据えると、中華圏で使われる水産加工品(干しナマコや干しアワビなど)を生産する企業などは、過剰在庫のリスクから生産量の調整を余儀なくされるだろう。

コロナ禍後、景況感が緩やかに改善していた水産業界ではあるが、輸出においては中国・香港への依存度の高さというリスクが浮き彫りとなった。

これをきっかけに、インバウンド需要に対応した国内消費の拡大や特定国に依存しない販路の開拓が、業界にとって継続的に取り組む課題となるだろう。

また、和食人気などを機会とした輸出先の拡大、日本産水産物のブランディングは、水産業の振興に向けて引き続き重要な施策となる。さらに、水産庁が進める「スマート水産業」構想をはじめとする、DXへの取り組みも注目される。

※ 本調査は景気動向オンライン(https://www.tdb-di.com)、TDB REPORT ONLINE(https://www.tdb-publish.com)に掲載
※ <TDB REPORT ONLINE> 各種企業の膨大な情報をもとに、業界の動向や注目ビジネスを網羅した経営情報サイト

調査期間:2023年年9 月15 日~9 月30 日(インターネット調査)
調査対象:2万7,667社、有効回答企業1万1,571社、回答率41.8%
調査機関:株式会社帝国データバンク

構成/ob1

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