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インボイス制度で負担が増えるフリーランスの会計処理はスマホアプリで効率化できる?

2023.10.26

フリーランスを応援している理由

ところでなぜ同社はフリーランスを応援するに至ったのか。反町氏は次のように話す。

「近年は、大企業が副業を推進していることもあり、今後、副業を含めたフリーランスの数は増えていくと思います。しかし今般のインボイス制度の件も含めて、フリーランスと言っても、お金の問題からフリー(自由)ではありません。自由を実現するためにはお金の面を先に解決しなければならず、我々がお手伝いできるのではと考えたのです。フリーランスの方が幸せになることは、社会的にも重要なこと。しかし現状は法人と比べて、個人は皆、信用情報不足です。やがてはフリーランスの方々がのびのびと社会生活を営めるような社会基盤の提供を考えています。当面は、インボイスや確定申告で困っているフリーランスの方を応援したいと考えました」

一方で、「フリーランスを応援する」と謳うと、誤解されることもあるという。

「時々、フリーランスが困っているから、そこにつけこんで商売をしていると判断されることもありますが、そうではありません。正直、2つのアプリでは収益は見込んでいません。現状、スマホ会計FinFinの利用ユーザーは10万人に届いていませんが、目標は200万人です。使っていただいた会計データを多く集めることで、信用保証できる可能性を感じています。我々が信用保証をさせていただき、銀行の融資がスムーズに受けられるようになるなど、お互いハッピーになれる世界があるのではと期待しています」

スマホ会計アプリの開発裏話

そもそも、スマホ会計FinFinの開発はフリーランス向けではなかったという。

「最初は、グループの創業理念『人のできない事をやろう・人のやらない事をやろう・世の中の為になることをやろう』に基づき、パソコン向け会計ソフトが多い中、『スーパーアプリをつくりたい』と思い始めました。
開発に取り組んでいるうちに、会計で困っているフリーランスの方が増えていることを知り、さらにインボイス制度が始まるということがわかったのです。そこからフリーランスに着眼し、スマホだけで簡単にできる会計アプリを使ってもらえないかと考えました」

デジタルマーケティングの「空中戦」と業務提携の「地上戦」の両方で普及させていく

(画像はイメージ)

2つのスマホ会計アプリは、フリーランスを応援している信用金庫や組合・協会などの団体と業務提携し、紹介してもらう「地上戦」を進めているという。

「デジタルマーケティングが空中戦だとすれば、業務提携いただくのは地上戦。こちらのほうは進んでいます。現状、約80万人の事業者を会員に持つ全国商工会連合会や、約50の信用金庫、複数のフリーランス関連の協会や団体などに共感いただき、基本は無料で使っていただけることもあって、積極的にアプリを推奨していただいています。
いまは遠い灯りに向かって進んでいる最中ですが、やがて新しい金融基盤を民間でつくることができたら、日本全体の金融も変わってくると考え、取り組んでいます」

今後、フリーランスや副業者が増加する予想が立てられる中で、スマホ会計アプリは会計面からサポートしてくれるだろう。やがて社会基盤が作られることで、フリーランスを本当の意味での「フリー(自由)」に近付けてくれることを期待したい。

【取材協力】
反町 秀樹(そりまち ひでき)氏
会計バンク株式会社 代表取締役社長CEO
1965年 新潟県出身 ソリマチグループ各社 代表 税理士、ITコーディネータ、監査法人KPMGピートマーウィック国際税務部を経て、1994年 ソリマチ情報センター(現・ソリマチ)取締役就任。2003年代表取締役社長就任。2009年ソリマチグループ代表に就任。

※アプリの料金やサービス内容については公開時点の情報。変更になる場合あり。

文/石原亜香利

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