今年もボジョレー・ヌーヴォーの季節がやってきました。解禁日は毎年11月の第3木曜日、今年は11月16日です。年に1度、世界中の人々がワインで乾杯する日。今年も美味しいワインが飲める幸せを噛みしめつつ、いろいろなことに感謝しながら、ワインを楽しみませんか?
とはいえ、ボジョレー・ヌーヴォーはたくさんあって、どのワインを飲んだらよいのかわからない人も多いはず。私、シニアソムリエの植田真未が厳選した、とびきり美味しい新酒6本をご紹介しましょう!
日本の新酒 山梨県産マスカット・ベーリーA
関信越限定エリア限定発売!ベリー系の香りとほどよい渋みで美味!
シャトー・メルシャン社
赤い果実を連想させる香りと程よい樽のニュアンスのバランスがとても良いワインです。マスカット・ベーリーAは、昭和初期、日本人の手で交雑された、日本固有のブドウ品種。山梨県で広く栽培されていて、日本で一番多く生産されています。ワインの原料になるだけでなく、生食用としても栽培されています。
濃く鮮やかな色調が特徴で、果実味が強く、渋みや酸味が弱く、イチゴのような香りをしており、まろやかな渋みが印象的です。
今回ご紹介する新酒は山梨県各地の熟度の高いブドウを使用し、バランスよく仕上げました。
タレのついた焼き鳥や、肉じゃがなどに合います。また中華料理の回鍋肉、酢豚などにも相性の良いワインです。
ボジョレー・ヴィラージュ・ヌーヴォー
これぞボジョレー・ヌーヴォーの元祖。やっぱりヌーヴォーといえばこれでしょう!
ジョゼフ・ドルーアン社
ジョゼフ・ドルーアン社は1880年創立、約140年にわたり家族経営を続ける、名門中の名門です。1959年、ドルーアンのボジョレー・ヌーヴォーが誕生しました。ロベール・ドルーアンは、友人達を喜ばそうと、自ら手掛けたボジョレーの新酒をふるまいます。当時、ボジョレー・ヌーヴォーを瓶で販売していたのは、このドルーアンと、廃業してしまったボーヌの小さなネゴシアンだけだったので、実質、ドルーアンはボジョレー・ヌーヴォーの生みの親とも言えるでしょう。
現在は日本だけでなく、ロンドン、ブリュッセル、ミラノなど、世界中の人々を魅了しているワインです。ぜひ「元祖」の味わいを堪能してみてはいかがでしょうか?
まみちゃんのワインワンポイント講座
ボジョレー・ヌーヴォーと、ボジョレー・ヴィラージュ・ヌーヴォーの違いって何?
と、その前に、ボジョレー・ヌーヴォーって、なんでしょう? ボジョレー・ヌーヴォーのボジョレーはフランスの地名ボジョレー地区のこと、ヌーヴォーは新酒という意味です。なので、ボジョレー・ヌーヴォーは、ボジョレー地区で作られる新酒という意味になります。
ボジョレー・ヴィラージュ・ヌーヴォーのヴィラージュは、村を意味する言葉。ボジョレーエリアには98の村があり、その中で優良として38の村が選ばれていて、選ばれし村のぶどうだけを厳選し、生産量や栽培方法などの厳しい規定を守りながら、ワンランク上の新酒、ボジョレー・ヴィラージュ・ヌーヴォーを造っています。
ちなみに、この「選ばれし村(ヴィラージュ)」は、ボジョレー地区北部に集まっています。その理由は、このあたりの土壌が花崗岩質土壌で、原料に使うぶどう、ガメイ種に適し最適だからです。
基本的にボジョレー地区の新酒は赤ワインですが、フランスでは様々な地区でヌーヴォーを造っているので、ロゼワインや白ワインの新酒もあります。
さて、さきほどの花崗岩土壌の話ですが、この土壌が造られたのは、ジュラ紀、恐竜がいたころの話で、この辺りには当時の遺跡なども残っているため、ユネスコの地質遺産に認められています。恐竜が生きていた土壌で育ったぶどうから造られるワインを飲めるなんて、ボジョレー・ヌーヴォーも夢があって、楽しいですよね。