被災経験者が実際の「被災時に困った防災対策」は「生活用水の不足」が最多
図9 実際の被災時に困った防災対策(複数回答) n=250
実際に、自然災害による停電・断水などで困った経験がある方に「被災時に困った防災対策」を聞いたところ、「生活用水の不足」(36.8%)が最も多いことがわかった。
次いで「飲料水の不足」(22.4%)、「暑さや寒さなどの対策不足」(21.2%)、「食料品の不足」(18.8%)、「スマホや携帯の充電が切れた」(18.4%)が続いている(図9)。
図10 被災時に困った備蓄品に対する準備状況とその評価(複数回答)
また、被災時に困った備蓄品を「飲料水」や「食料品」を回答した人に、準備状況とその評価を聞いたところ、「準備しておいて良かった」が「準備していなかったために後悔した」を上回った。そして準備していたけれども、量としては不足した人が一定数いることもわかった(図10)。
『暮らしの防災対策に関する調査』 結果考察
今回の調査では、防災対策をしているつもりでも、自宅で安心して暮らし続けるためには実際には不十分で、困った経験に繋がるケースがあり、そこには大きく2つの傾向が見られた。
まず1つ目は、準備や対策の「質」が不十分なケースだ。例えば、「断水」に対して「飲料水」は準備していても、「生活用水」が準備できていないと、トイレやお風呂を使うことが難しくなる。
また、「地震の揺れ」に対して、「タンスや食器棚用飛び出しの防止・ストッパーの設置」などができていないと、食器やガラスが割れて床に散乱した場合に、大きなケガの可能性が大きくなる。
災害時も生活を続ける環境を整えるためには、質として十分な対策内容を備えることが必要だろう。
2つ目は、準備や対策の「量」が不十分なケースだ。例えば、実際の「被災時に困った防災対策」を「飲料水の不足」や「食料品の不足」と回答している人にも、準備しておいたという人が一定数いることから、準備はいているものの、十分な量の備蓄ができていないケースがあることがわかる。
準備や対策をする際にも、家庭の人数や避難生活の日数も考慮した、量的に十分な備蓄が大切だ。
今回の調査では、「在宅避難」を想定する人が多いことが明らかとなり、災害時にも自宅で安心して暮らし続ける対策が求められていることをあらためて確認できたと言えるだろう。
調査概要
調査対象 全国20歳~69歳の男女
調査期間 2023年7月11日(火)~7月13日(木)<3日間>
サンプル数 550名
調査形態 Webアンケート調査(株式会社ジャストシステム「Fastask」を利用)
調査主体 パナソニック ホームズ株式会社
関連情報
https://homes.panasonic.com/ad_lp/daijyoubu/
構成/清水眞希