パナソニック ホームズ「くらし研究室」は関東大震災から100年を迎えるにあたり、住まいにおける防災の意識や対策について生活者に伺う『暮らしの防災対策に関する調査』を2023年7月に実施。回答結果をグラフにまとめて発表した。
今回の調査では、災害時には「在宅避難」を想定している人が多いことが明らかとなり、災害時でも安心して自宅で過ごす対策が求められていることが判明。
また、「飲料水」と並んで重要な「生活用水」の備蓄にまでは気が回っていない人が多いことや、家具の転倒防止などの安全対策までは実際にできていない人が多いこともわかった。
防災対策をする際は「在宅避難」を想定している人が約7割
図2 現在家庭で行なっている防災対策の目的(複数回答) n=275
現在、防災対策をしている人に、対策の目的を聞いたところ「自宅で避難生活をするため」(67.3%)が最も多い結果となった(図2)。
図3 現在家庭で行なっている防災対策(複数回答) n=275
また、防災対策として取り組んでいることは、「防災用品や備蓄品の準備、保管」(62.5%)が最多となった(図3)。
万が一災害が起きたとき、自宅で生活を続けるための水の備蓄で十分な準備ができている人は約4割
図4 想定している自然災害の事象(複数回答) n=185
「在宅避難」の意向を持っている人が想定する災害の事象は、「停電」(83.8%)「地震の揺れ」(74.1%)「断水」(74.1%)が上位3つとなった(図4)。
事象として「停電」を想定している人の備え
図5 「停電」を想定している人の対策(複数回答) n=213
停電に対して、「あかり(懐中電灯・ランタンなど)」を準備している人は90.1%に上った。一方で、情報収集や家族との連絡に欠かせないスマートフォンの充電に必要な「モバイルバッテリー」を準備している人は59.6%、エアコンが必要な時期の体調管理に関わる「暑さ・寒さ対策用品(カイロ・冷却シートなど)」を準備している人は46.5%に留まっている(図5)。
事象として「地震の揺れ」を想定している人の備え
図6 「地震の揺れ」を想定している人の対策(複数回答) n=200
地震による揺れを想定して実際に対策として、「家具・家電の固定」(46.0%)、「重い物を頭より高い位置に置かない」(32.5%)、「タンスや食器棚用飛び出しの防止・ストッパーの設置」(27.0%)であり、家の中の安全対策を実際に準備できている人は半数以下となっている(図6)。
事象として「断水」を想定している人の備え
図7 「断水」を想定している人の対策(複数回答) n=183
「飲料水」を準備している人は84.7%と、他の2つの対策に比べて比較的多いようだ(図7)。
一方、「飲料水」と「生活用水」の備蓄状況については、両方を備蓄できている人は38.3%に留まっている(図8)。
図8 「飲料水」と「生活用水」の備蓄状況(複数回答) n=183