現在、日本企業の間では、転勤や部署移動ありきの古くからある「メンバーシップ型雇用」ではなく、欧米的な特定業務のエキスパートを採用する「ジョブ型雇用」へシフトチェンジすべきとの議論が盛り上がっている。
では、既に「ジョブ型雇用」を導入している企業はどのくらい存在するのだろうか?
日本能率協会は、企業が抱える経営課題を明らかにし、これからの経営指針となるテーマや施策の方向性を探ることを目的に、1979年から「当面する企業経営課題に関する調査」を実施している。
今回は、「組織・人事編」と題し、企業の人事部門の責任者を対象として、組織運営・人事分野の課題にフォーカスを当て、対応の実態や施策の検討状況を調査。その中からここでは、人事・評価・処遇制度に関する調査結果について紹介する。
人事・評価・処遇制度の抜本的な見直しを実施済・実施予定の企業は約7割
人事・評価・処遇制度の抜本的な見直しの実施状況について尋ねたところ、「抜本的な見直しを実施済・実施中」は37.9%、「1~2年以内に実施予定」は32.4%と、合計で約7割の企業が、抜本的な見直しを実施、もしくは実施を予定していた。【図1】
従業員規模別でみると、大企業・中堅企業は「見直し実施・実施予定」の割合が全体より高く、75%にのぼった。大企業・中堅企業を中心に、人事・評価・処遇制度の見直しが進んでいることがわかる。
【図1】人事・評価・処遇制度の抜本的な見直しの状況