適格請求書発行事業者へ登録する理由は、「取引を打ち切られる可能性があるから」
適格請求書発行事業者として「登録している」「制度開始までに登録予定」と回答した3,794名に、なぜ適格請求書発行事業者に登録するのか聞いたところ、「登録した方がメリットが大きいと思うから」(42.5%)が最も多く、「取引を打ち切られる可能性があるから」(33.4%)、「新規の取引を敬遠される可能性があるから」(26.8%)と続き、取引への影響に関する項目が上位となっている。
各項目の回答率を業種別に見ると、「取引を打ち切られる可能性があるから」は「出版・印刷関連産業」(53.7%)、「新規の取引を敬遠される可能性があるから」は「電気・ガス・熱供給・水道業」(41.3%)、「売上が減ってしまう可能性があるから」は「飲食店」(26.2%)が最も高い結果となった。
適格請求書発行事業者へ登録していない理由は、「業務負担が増えるから」
適格請求書発行事業者として「登録する予定はない」「検討中」と回答した2,648名に、なぜ適格請求書発行事業者に登録していないのか聞いたところ、最多は「登録しない方がメリットが大きいと思うから」(32.4%)で、次いで「業務負担が増えるから」(26.8%)、「対応できる人材がいないから」(18.1%)となった。
また、「制度の内容や手続き方法が分からないから」という回答が16.6%で、インボイス制度に対応できる人材が居らず手続き方法がわからないことも登録していない理由の一つだと考えられる。
さらに、業務負担が増えるから適格請求書発行事業者に登録していないという業種別の回答率は「運送・輸送業」(56.3%)が最も高くなっている。
顧客企業から適格請求書発行事業者として登録したか確認された中小企業経営者は約4割
中小企業経営者7,225名に、顧客企業から自身が経営している会社が適格請求書発行事業者として登録したか確認されたか聞いたところ、「はい」と回答したのは約4割(39.2%)で約6割(60.8%)は現時点では確認されていない状況のようだ。
また、インボイス制度に向けて準備していることはあるか聞いたところ、「税理士への相談」(32.4%)や「取引先への説明・交渉」(16.7%)が多い結果となった。一方で「何もしない・何をしたらいいか分からない」は41.4%に達している。
さらに、インボイス制度に向けて導入・改修したシステムはあるか聞いたところ、75.4%が「特にない」と回答。また、導入・改修したシステムで最も多かったのは「経理・会計システム」で20.2%だった。
半数以上(54.9%)が仕入先の適格請求書発行事業者への登録状況について未確認
中小企業経営者7,225名に、仕入先の適格請求書発行事業者への登録状況を確認したか聞いたところ、54.9%が「いいえ」と回答し、半数以上が未確認であることがわかった。
仕入先に対して適格請求書発行事業者への登録状況を確認したという回答率を業種別に見ると、最も多いのは「製造業(医薬品・化粧品)」(44.4%)で、次いで「卸売・小売業(自動車・輸送機器・金属加工・精密機械)」(39.4%)、「運送・輸送業」(37.2%)だった。
また、仕入先が適格請求書発行事業者ではない場合はどのように対応するか聞いたところ、「これまで通り取引を継続する」という回答が半数近く(45.6%)で、「取引条件の変更を相談する」は2割未満(18.6%)となっている。
仕入先が適格請求書発行事業者ではない場合も「これまで通り取引を継続する」という回答を業種別に見ると、「製造業(家電・電気機械器具・IT関連)」(54.4%)が最も多く、「出版・印刷関連産業」(52.9%)、「電気通信業・ソフトウェア・情報サービス業」(51.9%)と続いている。
調査概要
調査対象/日本全国の中小企業経営者
※従業員300名未満の規模の会社経営者(社長、会長、取締役)または従業員のいる自営業者
サンプル/全国7225名
調査方法/インターネット調査
調査会社/株式会社マクロミル
実施時期/2023年7月14日~7月18日
関連情報
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構成/清水眞希