JAF(一般社団法人日本自動車連盟)は、昨年の8月1か月間に出動した“子どもやペットを車内に残したままのキー閉じこみ”の件数を公表。本格的な夏のレジャーシーズンを迎え、車内熱中症事故予防を呼びかけている。
緊急性が高いと判断され、ガラスを割るなどしたケースも3件発生
2022年8月1日~8月31日の1か月間、JAFが出動した「キー閉じこみ」の救援のうち、子どもやペットが車内に残されたままであったケースは全国で87件(子ども:51、ペット:36)あった。
このうち、緊急性が高いと判断し、通常の開錠作業ではなくドアガラスを割るなどしたケースが3件発生したという。
現場での聞き取り調査によるとその原因の中には「子どもに鍵を持たせていたら、ロックボタンを押してしまった」「ペット(犬)が誤って運転席ドアのロックボタンを踏んでしまった。」というものもあった。
暑さ指数(WBGT)の推移
JAFが実施した車内温度の検証テストによると、気温35℃の炎天下に駐車した車内の暑さ指数は、窓を閉め切った状態でエンジン停止後、わずか15分で人体にとって危険なレベルに達した。
また、車を日陰に駐車していたとしても、その車内温度の差はわずか約7度で、駐車場所に関わらず外気温が高温である場合は注意が必要だ。
子どもやペットだけでなく大人も要注意。車内熱中症回避のために行動を
乳幼児は体温調節機能が未発達であり、特に注意が必要だ。「少しの時間だから」「寝ているから」等の理由で車内に子どもを残したまま車を離れることは、「キー閉じこみ」のトラブルとならなくても、熱中症を引き起こす事故になりかねない。
子どもやペットを車内に残して、絶対に離れないでいただきたい。
また、2021年にJAF公式SNSアカウントで実施したキャンペーン「あなたの熱中症を教えて!」では「クルマで家族を迎えに行き待っているあいだ、エアコンを切っていたら熱中症になりかけた」という大人の車内熱中症に関するコメントもあった。
車内熱中症というと子どもやペットの事故がよく報道されているが、大人であっても車内熱中症に陥る危険性は十分に考えられる。
暑いと感じられる際は無理をせず、直ちに熱中症回避のため行動を取るべきである。
関連情報
https://jaf.or.jp/common/safety-drive/car-learning/user-test/temperature/summer
構成/清水眞希