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国内企業の4〜6月期決算が今後の株価に与える影響

2023.08.04

三井住友DSアセットマネジメントはこのほど、同社チーフマーケットストラテジスト・市川雅浩氏がその時々の市場動向を解説する「市川レポート」の最新版として、「国内企業の2023年度業績予想~企業の見方と市場の見方」と題したマーケットレポートを発表した。レポートの詳細は以下の通り。

新年度入り後大幅高となった日経平均とTOPIXは足元で上昇一服、この先は企業業績に注目

新年度入り後の日経平均株価と東証株価指数(TOPIX)の動きをみると、3月31日から6月30日までの期間、順に18.4%上昇、14.2%上昇となった。いずれも大幅高となっているが、特に日経平均の上昇幅は5月、6月とも2,000円以上となり、2カ月連続で2,000円以上となるのは、算出以来、初めてのことだ。ただ、7月に入ると上昇は一服し、6月30日から7月25日まで日経平均は1.5%下落、TOPIXは0.1%下落している。

さすがに5月、6月のような上昇ペースが続いてしまうと、相場の過熱感が高まり、調整時に大幅な株価の下落につながりかねないため、足元でみられるような上昇一服の動きは、むしろ健全なものと考えられる。改めて、ここからの株価の方向性は、企業の業績が重要なカギを握ると思われ、今週から本格化する3月期決算企業による4-6月期決算発表が注目される。

4-6月期決算は総じて良好とみられ、控えめな今年度の業績予想を上方修正する企業もあろう

まず、2023年度の業績予想について、企業自身が公表している数字をみていく。図表1は、TOPIXを構成する3月期決算企業(金融とソフトバンクグループを除く)を対象に、業績予想を公表している企業について、入手できるデータに基づき集計したものだ(5月16日時点)。前年度比の売上高は2.5%増、営業利益は6.8%増、経常利益は2.6%減、純利益は5.1%減となっている。

このように、2023年度については、売上高と営業利益は1ケタ伸びる一方、経常利益と純利益は減益に転じるという、かなり控えめな企業自身の見方が確認される。なお、4-6月期は、円安進行や供給制約の改善、インバウンド需要の回復など好材料も多く、総じて良好な決算が見込まれる。

こうしたなか、2023年度の業績予想を上方修正する企業がどの程度みられるのかが、今回の決算発表における1つの注目ポイントと思われる。

市場の業績予想は改善傾向、企業に業績予想上方修正の動きが広がれば株高基調は強固に

次に、企業業績に対する市場の見方を確認する。図表2は、アナリストのTOPIX構成銘柄を対象とする業績予想の傾向を示す「リビジョン・インデックス」だ。インデックスの上昇は、業績予想を上方修正した銘柄の割合が増えたことを示し、インデックスの低下は、下方修正した銘柄の割合が増えたことを示す。これをみると、直近では、上方修正の割合が増えつつある様子がうかがえる。

三井住友DSアセットマネジメントは、金融とソフトバンクグループを除く408社の業績予想を作成しているが、2023年度の純利益は前年度比で1.7%増を見込んでいる(6月8日時点)。企業自身の予想と単純比較はできないが、緩やかながらも増益傾向は続くと考えている。

新年度入り後、やや期待先行で上昇してきた日経平均やTOPIXだが、この先、業績予想の上方修正の動きが企業に広がれば、株高の基調はより強いものになると思われる。

※個別銘柄に言及しているが、当該銘柄を推奨するものではない。

出典元:三井住友DSアセットマネジメント

構成/こじへい

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