あなたの周りに「あの人は、いったい1日が何時間あるんだろう?」と思ってしまうほど、物事を段取りよくテキパキこなす人はいませんか?
では、そういう「要領がいい人」たちは、生まれつき頭がよかったり、センスや才能の持ち主だったりするのでしょうか?
「要領がいい・悪い」は、決して才能やセンス、ましてや生まれつきの頭のよさの問題ではありません。「要領がいい人」は、ほんの少し、「脳の使い方」が違うだけ。
そこで「要領がいい」ということを、「ゴールへの最短距離を進めること」と定義し、その方法を最新の脳科学から解き明かす菅原洋平さんの著書『「仕事が終わらない人生」が180度変わる 努力に頼らず「要領がいい人」になる40のコツ』の中からDIME読者におすすめしたいノウハウを厳選、再編集してお届けします! 「脳の使い方」と聞いて、身構えてしまう方もいるかもしれませんが、決して難しいことは書いていませんので是非チェックしてみてください。
努力に頼らず「要領がいい人」になる40のコツ〈20〉「口ぐせ」が最強の修正力をつくる
「失敗は成功のもと」ということわざは、「なにが間違っていたのかを調べて次に生かしていけば、必ず成功する」という意味です。
素晴らしい人生訓ですが、実はこれ、脳科学的にも裏づけられています。
なぜなら、脳には、行動した結果、得られた感覚に基づいて次の行動を修正する「フィードバック誤差修正」という仕組みがあるからです。
作業をすればするほど上達していくのは、この仕組みのおかげ。
つまり、「同じ失敗を繰り返す」という要領の悪さは、「脳へのフィードバック機能が正しく働いていないから」といえます。
これを防ぐには、自分では気づかずに埋もれている「感覚」を発見する必要があります。
たとえば、Dさんのように同じ失敗をしがちな人でも、「プレゼンを周囲から褒められ、目頭が熱くなった」「大きな契約を受注できて興奮し、『自分ってすごい!』と思えた」など、ポジティブな出来事による感覚はなにかしらあるはずです。
こうした感覚が一度掘り起こされれば、「その感覚に基づいて行動を修正してみよう」と脳内で自動的にセットされます。
感覚が埋もれてしまう原因の代表例は「口ぐせ」です。
「いつも○○」
「○○ばっかり」
こんな言葉を使っていませんか?
たとえば、「いつも眠れない」と言うと、完全に睡眠をとっていないことになりますが、実際にはそんなことはあり得ません。しかし「いつも」と言ったことで、眠れた日の感覚が埋もれてしまいます。
埋もれてしまえばその感覚は忘れてしまい、忘れてしまえば、自分はそうだと決めつけてしまいます。
一部のことを全部のように決めつけてしまう口ぐせをやめて、代わりに「あのときはうまくいった」とつぶやいてみましょう。
脳内では、うまくいったときの感覚に焦点が当てられて、違う結果になるための行動記憶を読み出すことができます。
私たちが使う言葉は、記憶の「検索ワード」のようなもの。
「あのときはうまくいった」とつぶやいたとき、脳内では「あのとき」の行動記憶が検索されます。グーグルなどの検索エンジンを使うと、関連するページを探し出してくれますよね。あれと同じイメージです。
なので、脳という検索エンジンの中にポジティブな行動記憶を入れておけば、検索するときもポジティブな記憶がヒットし、その記憶に基づいた行動(=うまくいったときの行動)を自動的にとってくれる、というわけです。
普段から「いつも」と「ばっかり」という言葉を使わないようにしてみるだけで、脳のセンサーが働き始め、「うまくいったときの感覚」を掘り当ててくれます。あとは、脳の修正力に任せるだけ!
ほかにも、こんな言葉を口ぐせにしていませんか? もしこのなかに、「言っちゃってる……」というものがあれば、今日から使用禁止です!
【NG 口ぐせ集】
・絶対〇〇 …… 絶対失敗する、絶対忘れる、絶対眠れない
・また〇〇 …… またやっちゃった、また怒られた、また遅刻した
・昔から〇〇 …… 昔から要領が悪い、昔からミスが多い、昔からこうだ
・必ず〇〇 …… 必ず怒らせる、必ず忘れ物をする、必ず嫌われる
・〇〇ばっかり …… トラブルばっかり、悪いことばっかり、負けてばっかり
・〇〇だけ …… 自分だけ損をしている、あの人だけ得をしている
・全然〇〇 …… 全然ダメ、全然うまくいかない、全然思いどおりにならない
☆ ☆ ☆
いかがでしたでしょうか?
実は、次の大半の人が漠然と思い描いている「要領のよさ」 。5つで構成されているそうです。
1 「余計な情報」に惑わされない
2 「脳のムダづかい」を減らす
3 「すぐやる人」になる
4 「同じ失敗」を繰り返さない
5 「思い込み」を捨てる
この項目を見ただけで、 「たしかに、自分に足りないことかも」と思った人も多いのではないでしょうか?
そうなんです!
「要領をよくする」とは、新たな知識や技術を身につけるというより、ムダを省いたり、余計な情報をカットしたりすることが大切であり、誰でもすぐに実践でき、再現性のあることなのです。それを把握して再現性のある行動にしてしまえば、努力に頼らず「要領がいい人」になることができるというわけです。この本では、最新の脳科学から導き出したメソッドをもとに要領のよさを、再現性のある科学的なコツとしてまとめられています。意外で、すぐに実践できる方法が知りたくなった方は是非チェックしてみてください。
「仕事が終わらない人生」が180度変わる 努力に頼らず「要領がいい人」になる40のコツ
著者/菅原洋平
発行/株式会社アスコム
著者/菅原洋平
作業療法士。ユークロニア株式会社代表。アクティブスリープ指導士養成講座主宰。1978年、青森県生まれ。国際医療福祉大学卒業後、国立病院機構にて脳のリハビリテーションに従事。2012年にユークロニア株式会社を設立。東京都千代田区のベスリクリニックで外来を担当しながら、ビジネスパーソンのメンタルケアを専門に、生体リズムや脳の仕組みを活用した企業研修を全国で行う。『あなたの人生を変える睡眠の法則』(自由国民社)、『すぐやる! 』(文響社)などベストセラーを多数上梓。テレビや雑誌など、メディア出演も多数。