あなたの周りに「あの人は、いったい1日が何時間あるんだろう?」と思ってしまうほど、物事を段取りよくテキパキこなす人はいませんか?
では、そういう「要領がいい人」たちは、生まれつき頭がよかったり、センスや才能の持ち主だったりするのでしょうか?
「要領がいい・悪い」は、決して才能やセンス、ましてや生まれつきの頭のよさの問題ではありません。「要領がいい人」は、ほんの少し、「脳の使い方」が違うだけ。
そこで「要領がいい」ということを、「ゴールへの最短距離を進めること」と定義し、その方法を最新の脳科学から解き明かす菅原洋平さんの著書『「仕事が終わらない人生」が180度変わる 努力に頼らず「要領がいい人」になる40のコツ』の中からDIME読者におすすめしたいノウハウを厳選、再編集してお届けします! 「脳の使い方」と聞いて、身構えてしまう方もいるかもしれませんが、決して難しいことは書いていませんので是非チェックしてみてください。
努力に頼らず「要領がいい人」になる40のコツ〈19〉やみくもな「すぐやる」はリスク大!「すぐやらない」が正解のケースとは?
この章では、先延ばしをやめ、「すぐやる」ための脳の使い方を紹介してきました。最後に、あなたにお伝えしておきたいことがあります。
それは、「すぐやることの弊害」。
「すぐやること」を盲目的に目指してしまうと、逆に要領が悪くなってしまうこともあるのです。
たとえば、テストのとき。要領がよくない人はすぐに最初の問題から解き始めます。一方で、要領がいい人は全体を俯瞰して、どの順番で解くかを考えてから取りかかります。
仕事でも、ゴールを設定せずにやみくもにスタートした結果、段取りが悪くなってしまったり、「あれを忘れてた!」とやり直しになったり、後で大変な目に遭ってしまったりすることは少なくありません。
この本のためにとったアンケートでも、こんなことを書いてくれた方がいました。
ふいに企画のアイデアがおりてきて、考えれば考えるほど、成功間違いなしと思えました。一晩かけて企画書をつくり上げたのですが、翌日気づいたんです。「これ、同僚が動かしている企画と丸被りだ……」。高揚感に突き動かされて、冷静さを失っていた自分がイヤになりました。(30代男性)
このような「一晩おいて冷静になってみれば」という経験を書いてくれた人は、ほかにも何人かいました。おそらくこの男性も、「ふいにアイデアがおりてきた」結果、ドーパミンがあふれ出し、飛びついてしまったのだと考えられます。
そう、怖いのはドーパミンの作用で、やみくもに「すぐやる人」になってしまうこと。
「興奮サイン」を感じ取ったら、一度落ち着いて全体を俯瞰してみましょう。第2章で紹介しているドーパミンの欲求を鎮める方法を実践してみてください。とくに、重要な結果やリスクをともなう決断は、しっかりと睡眠をとり、脳内の情報が整理された状態ですることをおすすめします。
「これはドーパミンのしわざだな」と思ったら、意識的に「すぐやらない人」になることが、あなたを要領がいい人にします。
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いかがでしたでしょうか?
実は、次の大半の人が漠然と思い描いている「要領のよさ」 。5つで構成されているそうです。
1 「余計な情報」に惑わされない
2 「脳のムダづかい」を減らす
3 「すぐやる人」になる
4 「同じ失敗」を繰り返さない
5 「思い込み」を捨てる
この項目を見ただけで、 「たしかに、自分に足りないことかも」と思った人も多いのではないでしょうか?
そうなんです!
「要領をよくする」とは、新たな知識や技術を身につけるというより、ムダを省いたり、余計な情報をカットしたりすることが大切であり、誰でもすぐに実践でき、再現性のあることなのです。それを把握して再現性のある行動にしてしまえば、努力に頼らず「要領がいい人」になることができるというわけです。この本では、最新の脳科学から導き出したメソッドをもとに要領のよさを、再現性のある科学的なコツとしてまとめられています。意外で、すぐに実践できる方法が知りたくなった方は是非チェックしてみてください。
「仕事が終わらない人生」が180度変わる 努力に頼らず「要領がいい人」になる40のコツ
著者/菅原洋平
発行/株式会社アスコム
著者/菅原洋平
作業療法士。ユークロニア株式会社代表。アクティブスリープ指導士養成講座主宰。1978年、青森県生まれ。国際医療福祉大学卒業後、国立病院機構にて脳のリハビリテーションに従事。2012年にユークロニア株式会社を設立。東京都千代田区のベスリクリニックで外来を担当しながら、ビジネスパーソンのメンタルケアを専門に、生体リズムや脳の仕組みを活用した企業研修を全国で行う。『あなたの人生を変える睡眠の法則』(自由国民社)、『すぐやる! 』(文響社)などベストセラーを多数上梓。テレビや雑誌など、メディア出演も多数。