あなたの周りに「あの人は、いったい1日が何時間あるんだろう?」と思ってしまうほど、物事を段取りよくテキパキこなす人はいませんか?
では、そういう「要領がいい人」たちは、生まれつき頭がよかったり、センスや才能の持ち主だったりするのでしょうか?
「要領がいい・悪い」は、決して才能やセンス、ましてや生まれつきの頭のよさの問題ではありません。「要領がいい人」は、ほんの少し、「脳の使い方」が違うだけ。
そこで「要領がいい」ということを、「ゴールへの最短距離を進めること」と定義し、その方法を最新の脳科学から解き明かす菅原洋平さんの著書『「仕事が終わらない人生」が180度変わる 努力に頼らず「要領がいい人」になる40のコツ』の中からDIME読者におすすめしたいノウハウを厳選、再編集してお届けします! 「脳の使い方」と聞いて、身構えてしまう方もいるかもしれませんが、決して難しいことは書いていませんので是非チェックしてみてください。
努力に頼らず「要領がいい人」になる40のコツ〈14〉すぐやる人ほど、「ToDoリスト」が短い理由
仕事や勉強でよく使われる「ToDoリスト」。
「これやらなくちゃ」と思った瞬間、やみくもにリストに追加していませんか?
実は、ToDoリストのつくり方ひとつで、優先順位のつけ方が驚くほどラクになります。
すぐやる人は、ToDo リストの項目数を増やさないよう心がけています。
たとえば、「メールの受信」と「すぐに返信」をワンセットで行うことで、「○○さんにメールする」という項目をToDoリストに追加せずにすみます。
同じように資料作成も、「事前調査」と「作成」を1つの項目にすれば、ToDoリストへの追加項目は最小限になります。また、脳が1つの作業とみなして「まとめて時間内に対応しよう」と考えるようになるため、「調査は終わったけど、作成に着手できていない」という先延ばしを避けられます。
ToDoリストに挙がる課題が多いと、ぱっと見ただけで「まだこんなに残っている」「やってもやってもなくならない……」とネガティブになりがちです。また数が多くなる分、抜け漏れが多くなってしまいます。
一方、ToDo リストを短くするように心がけていると、自然と「すぐできるものは、すぐ行動する」ようになります。
そうすると、ToDoリストに追加される項目も、すぐには対処できないものばかりに限られるので、なにから取りかかるべきか明確になります。優先順位をつける時間が大幅に短縮されるのです。
ToDo リストを使っているなら、「このなかで、次回リストに加えずにすむ項目はどれか」を見極めてみましょう。
そうすれば、「この作業は、実はすぐに対応できるものだ」という選別ができます。
「遂行型ToDoリスト」がひらめきを生む
ToDoリストに追加するときは、「遂行するところまで」をイメージしておくことも重要です。
たとえば、「今週の金曜までに部下との1on1の面談を行う」という場合、単にリストに追加するのではなく、「こういうことを話そうかな」「そういえば、こないだのプレゼン、とてもよかったな」など当日に話す内容や流れをイメージしておきます。
こうすることで、脳における重要度が高まり、「部下との1on1」に関連する出来事に反応しやすくなります。これには、ワーキングメモリの「なにかの作業をスムーズに行うために、必要な情報を一時的に脳にストックしておく」という能力が関係しています。
結果として、「こんなことも話そう」というアイデアや思いがけないひらめきが出てきやすくなるのです。
ToDoリストは「見えない場所」に
また、ToDoリストに書かれている課題を見て「よし、これをやろう」と決めたら、目に見えない場所にリストをしまいましょう。
「デスクトップ上にずっと置いておく」「パソコンに貼り続けておく」などはNGです。常に見えるところにToDoリストがあると、脳はいますぐ着手しない課題についても「やらない」という判断をしなければならず、負担になってしまいます。脳に見せる課題は1つずつにするよう心がけましょう。
☆ ☆ ☆
いかがでしたでしょうか?
実は、次の大半の人が漠然と思い描いている「要領のよさ」 。5つで構成されているそうです。
1 「余計な情報」に惑わされない
2 「脳のムダづかい」を減らす
3 「すぐやる人」になる
4 「同じ失敗」を繰り返さない
5 「思い込み」を捨てる
この項目を見ただけで、 「たしかに、自分に足りないことかも」と思った人も多いのではないでしょうか?
そうなんです!
「要領をよくする」とは、新たな知識や技術を身につけるというより、ムダを省いたり、余計な情報をカットしたりすることが大切であり、誰でもすぐに実践でき、再現性のあることなのです。それを把握して再現性のある行動にしてしまえば、努力に頼らず「要領がいい人」になることができるというわけです。この本では、最新の脳科学から導き出したメソッドをもとに要領のよさを、再現性のある科学的なコツとしてまとめられています。意外で、すぐに実践できる方法が知りたくなった方は是非チェックしてみてください。
「仕事が終わらない人生」が180度変わる 努力に頼らず「要領がいい人」になる40のコツ
著者/菅原洋平
発行/株式会社アスコム
著者/菅原洋平
作業療法士。ユークロニア株式会社代表。アクティブスリープ指導士養成講座主宰。1978年、青森県生まれ。国際医療福祉大学卒業後、国立病院機構にて脳のリハビリテーションに従事。2012年にユークロニア株式会社を設立。東京都千代田区のベスリクリニックで外来を担当しながら、ビジネスパーソンのメンタルケアを専門に、生体リズムや脳の仕組みを活用した企業研修を全国で行う。『あなたの人生を変える睡眠の法則』(自由国民社)、『すぐやる! 』(文響社)などベストセラーを多数上梓。テレビや雑誌など、メディア出演も多数。