「何が正解なんだろう? 」と、迷って動けなくなったら
私たちは2つ以上の選択肢や可能性で悩んでしまい、自分の考えや本音がわからなくなって、行動できないことがあります。これは、理性が中心になりすぎていて「考えすぎ」になっている状態です。いろいろな無数の思考が頭の中で錯さく綜そ うしています。
そんなときは、前にも解説したように、自分の視点ではなく、「他者の視点で考える脳内トーク」が効果的です。
「尊敬するあの人だったら、どう行動するだろう?」
「あの人」は、憧あこがれる先輩でも、世界的なアーティストでも、アニメの主人公でも、世界の偉人でも、尊敬できる人なら誰でも大丈夫です。
視点を自分から他者に変更するだけで、随分と世界の見え方が変わってきます。
たとえば、選択肢が多くて、自分がやりたいことがわからなくなったときは、憧れの有名人になりきります。
「自分が●●さんだったら、いま何をやりたいだろうか?」
他者の視点になるだけで、考えすぎていてわからなくなった思考の中から、自分の正直な気持ちを抜き出してきてくれたりします。
私も、決断がなかなかできないときは、他者の視点に立って「脳内トーク」をする習慣を身につけていますが、これが本当に効果的なんです。ぜひやってみてください。
あと、余談ですが、モノマネが上手い人は、サードアイの切り替えが速い傾向があります。その人になりきってふるまうと、どんな感じがするでしょうか。声だけでなく、体の使い方、しぐさなども変わってしまうため、完全に自分以外の人になってしまいます。
ちなみに、バイリンガルの人は母語と外国語を話すとき、性格まで変わってしまうそうですよ。
また、頭の中がなかなか整理されないときは、全部を一度捨てる「脳内トーク」がおすすめです。
「いったん、頭のバケツの中身を全部捨てよう!」
頭の中のバケツに、たくさんの思考が入っていることを想像して、頭を下げてそれをザッと全部捨てる。そんなイメージです。実際に頭を下げてやるとさらに効果的で、最後の一滴まで全部捨てます。一滴残らずというのがポイントです。
すると、どうでしょうか。すべて捨て切ったあと、意外と頭がスッキリしてくるはずです。そして、頭の中のバケツが空になったら、しばらくボーッとしてみてください。休息時間をつくることで、自然と脳が整理されてくるでしょう。
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いかがでしたでしょうか? 成功者と呼ばれる人たちは、「脳内トーク」を意識的に活用しています。「脳内トーク」を使って、脳をよい意味で騙し、自分の常識(思い込み)を打ち破る。そして、視点を増やす 。成功者たちの多くが、 「脳内トーク」を活用して、自分を変えてきた人たちなのです。
「人生を変えるためには、大きなことをしなければならない」 、多くの人がそんな常識を信じています。しかし、研究からわかったことは、私たちは大きなことをする必要はないということでした。日々の小さなことが、物事のとらえ方や行動をはじめ、能力や性格、さらには健康、習慣、パフォーマンスにまで影響を与えるということです。そして、そのベースになるのが、 「脳内トーク」なのです。
自分を変化させて、なりたい自分に近づいていくためのより詳しいヒントは「世界一やさしい自分を変える方法」をチェックしてみてください。
「世界一やさしい自分を変える方法」
著者/西 剛志
発行/株式会社アスコム
著者/西 剛志(にし・たけゆき)
東京工業大学大学院生命情報専攻卒。博士号を取得後、特許庁を経て、2008年にうまくいく人とそうでない人の違いを研究する会社を設立。世界的に成功している人たちの脳科学的なノウハウや、才能を引き出す方法を提供するサービスを展開し、企業から教育者、高齢者、主婦など含めてこれまで1万人以上に講演会を提供。エビデンスに基づいた研修、商品開発サービスなども全国に展開。テレビやメディアなどにも多数出演。著書シリーズは海外でも出版され「80歳でも脳が老化しない人がやっていること」(アスコム)をはじめとして累計22万部を突破。
脳科学者 西剛志公式サイト
https://nishi-takeyuki.com