ネガティブな感情によりそう「脳内トーク」の方法
これまで見てきたとおり、「ネガティブな脳内トーク」も、決して悪いものではありません。集中力やセルフコントロール力を高めることができます。
「ネガティブな脳内トーク」を仕事に役立てている職業の1つが、医師でしょう。もし、お医者さんが「まあこれくらいだったら、なんとかなるよ」という「プラスの脳内トーク」ばかりしていたら、いいかげんな診断になってしまい、患者の病気が悪化してしまうかもしれません。
マイナスな部分にフォーカスするからこそ、病気の原因を発見したり、適切な治療ができるのです。
「ネガティブな脳内トーク」にはよい面もあるのですが、ただ、マイナスになるケースもあります。それが必要以上にやる気を下げてしまう「ネガティブな脳内トーク」です。
そんなときは、どうすればいいのでしょうか。
たとえば、こんなときがあったとします。
「やる気がない」
「自信がない」
「イライラする」
「悲しい」
「不安を感じる」
そんなときは、「自分の気持ちを認めてあげる脳内トーク」をしてみます。
「俺、やる気がないね」
「私、自信がないね」
「たろうは、イライラしているよ」
「はなこは、悲しい」
「さおりんは、不安なんだね」
少し気持ちがラクになってこないでしょうか。
「気持ちによりそった脳内トーク」をすると、どんなネガティブな言葉を使っても、心拍数が低下して気持ちが整うことがわかっています。特に、「サードアイの脳内トーク」をすると、より気持ちが落ち着き、集中力やセルフコントロール力まで高まる効果が期待できます。
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いかがでしたでしょうか? 成功者と呼ばれる人たちは、「脳内トーク」を意識的に活用しています。「脳内トーク」を使って、脳をよい意味で騙し、自分の常識(思い込み)を打ち破る。そして、視点を増やす 。成功者たちの多くが、 「脳内トーク」を活用して、自分を変えてきた人たちなのです。
「人生を変えるためには、大きなことをしなければならない」 、多くの人がそんな常識を信じています。しかし、研究からわかったことは、私たちは大きなことをする必要はないということでした。日々の小さなことが、物事のとらえ方や行動をはじめ、能力や性格、さらには健康、習慣、パフォーマンスにまで影響を与えるということです。そして、そのベースになるのが、 「脳内トーク」なのです。
自分を変化させて、なりたい自分に近づいていくためのより詳しいヒントは「世界一やさしい自分を変える方法」をチェックしてみてください。
「世界一やさしい自分を変える方法」
著者/西 剛志
発行/株式会社アスコム
著者/西 剛志(にし・たけゆき)
東京工業大学大学院生命情報専攻卒。博士号を取得後、特許庁を経て、2008年にうまくいく人とそうでない人の違いを研究する会社を設立。世界的に成功している人たちの脳科学的なノウハウや、才能を引き出す方法を提供するサービスを展開し、企業から教育者、高齢者、主婦など含めてこれまで1万人以上に講演会を提供。エビデンスに基づいた研修、商品開発サービスなども全国に展開。テレビやメディアなどにも多数出演。著書シリーズは海外でも出版され「80歳でも脳が老化しない人がやっていること」(アスコム)をはじめとして累計22万部を突破。
脳科学者 西剛志公式サイト
https://nishi-takeyuki.com