AIが「頑張ることなく、続けることができる」健康行動を提案
電通とISIDビジネスコンサルティング(以下「isidbc」)は、ヘルスケア領域において生活者の性格、価値観、感性に向き合い、生活者本人の潜在的な意識や嗜好(しこう)をもとにした健康意識/健康行動を予測するアルゴリズム「actibit(アクティビット)」(商標申請中)を共同開発。顧客企業に対して提供を開始した。
actibitは生活者が自身の属性情報と、性格、価値観についての簡単なアンケートに答える(※1)だけで、電通の調査結果をもとにした独自データを根拠とする予測AIのアルゴリズムにより、食や運動などの健康意識/健康行動を予測する。
なお、本ソリューションは、ソフトウエア関連発明として特許を出願中だ。
actibitの展開イメージ
日本では、高齢化や医療費高騰などの課題を背景に、健康寿命の延伸やセルフケアのための商品・サービスを生活者に認知・使用してもらうことが急務となっている。
しかしながら、企業から生活者に対して、健康のために正しいとされる情報提供や行動の提案を行なっても、生活者独自の好みや生活習慣により、健康のためだけに取り組み続けることは難しいという課題がある。
そこで生活者の性格・価値観に本当に合う、健康意識/健康行動を予測することができれば「自然と頑張ることなく、続けることができる」提案が可能となる。
「actibit」は、生活者が回答した性・年齢・年収などの属性データと、性格・価値観を掛け合わせ、予測AIによる独自のアルゴリズムによって健康意識/健康行動を予測する。
その際、同社の独自調査である「ウェルネス1万人調査(※2)」にもとづく健康意識/健康行動データを活用するため、生活者に直接的に健康意識や行動に関する多岐にわたる質問をすることなく、「健康のために自炊をする」「健康のために何かするなら、効率を重視する」など本人の性格や生活習慣に合った健康意識/健康行動を予測することが可能だという。
また、同社によれば「actibit」を活用してサービスを提供する企業は、生活者に「その人の性格や生活習慣に合った」ヘルスケア商品・サービスや、検索・購買履歴だけからでは予測されない「意外であるが好みに合う」ヘルスケア商品・サービスに出合う楽しみを提供することで、企業やブランドのエンゲージメント向上も期待できるとのこと。
電通ヘルスケアチーム(※3)は今回のローンチに際して、「Healthcare in daily lifeという発想のもと、『健康のためだけの“頑張り”はなかなか続かない』ことを前提として、“人”の気持ちを起点としたサービスの設計・開発のサポートにより顧客企業の事業成長に貢献していきます」とコメントしている。
※1 電通が心理学を応用して独自に開発した消費者分析メソッド「コミュニケーション・モチベーター」を活用。人間の基本的欲求を20カテゴリー、59項目に分類。
※2 ウェルネス1万人調査2021 概要
調査方法/インターネット調査
調査期間/2021年9月21日(火) ~ 2021年9月24日(金)
調査対象者/全国20〜60代男女 10,000ss
※3 ヘルスケア領域のターゲット戦略やビジネスモデルの策定から開発、市場投入、コミュニケーション施策までをワンストップでサポートする専門組織
関連情報
https://www.dentsu.co.jp/
構成/清水眞希