■連載/大森弘恵のアウトドアへGO!
値頃感のあるポータブル電源が増え、いよいよ車中泊×ワーケーションが現実的になった。この夏、初めての車中泊旅に挑戦しようと考える人もいるだろう。
その際、運転しなれた愛車のミニバンで……と考えてしまうがちょっと待った。移動する部屋=キャブコンなら、移動しながらも仕事に集中しやすいのだから。
トラックをベースにシェルを架装したキャブコンは背が高く、幅も広い。運転席の上にバンクベッドが備わっているものが多く、そのうえ両脇は架装部分が運転席よりもはみ出している。
ところがたとえばベース車両として多くのビルダーが採用しているカムロードの最小回転半径は約5m。ハイエースやキャラバンと同等かそれよりも小回りが利くのだ。モニター搭載車両ならバック時のストレスも低減される。
「Jネットレンタカー大阪」でレンタルしているバンテック「コルドバンクス」。バンクベッドだけでも大人2名が余裕で眠れる
それに車内を立って移動できるのがとにかく楽だし、常設ベッドやバンクベッドのおかげでソロ〜デュオ、小さな子との3人家族ならベッドメイク不要。座席を展開するダイネットベッドの場合でも、ミニバンベースの車中泊カーや軽キャンパーとは違って車内にいながら作業できる。雨の日でも濡れることなく準備できるのはキャブコンのメリットだ。
いきなり購入するにはハードルが高いし、利用頻度によっては無駄になる。まずはいつものレンタカー感覚でキャブコンを借りてはどうだろう。
憧れキャンピングカーを借りる前に確認
キャンピングカーのレンタルサービスは全国に点在している。乗用車やミニバンのレンタカーに比べると料金はあがるが、キャンプ場やRVパークの使用料はホテル泊よりも割安。それにテントやタープをたて、さらにバーナーやジャグを広げてキッチンを作る手間はなく、チェックイン後すぐにのんびり過ごせる。
常設ベッドとダイネットが分離しているキャブコンなら、家族が寝静まっている時間でもメールチェックをしやすいし、エンジンを止めても使えるエアコンを搭載している車両なら快適&静かな環境でオンラインミーティングにも参加できる。
休日であっても仕事を完全にオフにできない、アウトドア好きビジネスパーソンこそキャブコンの旅がぴったりなのだ。
ちなみにキャンピングカーをレンタルするにあたり、気構えることはなにもない。
レンタル場所と営業時間、利用料金を確認して好きな店舗を選び予約する→指定の時間・場所で引き取り、使い方を確認して出発→燃料を満タンにして指定の場所に返却する。乗用車のレンタルと基本は同じだ。
キャブコンは大型のシェルを積んでいるので横風を受けやすいし、その分重く、ホイールベースも短めなので急ブレーキ&ハンドルは御法度だが思いのほか運転しやすい。日常的にクルマを運転している人であればすぐに慣れるだろう。
とはいえ、頭上に飛び出した看板や建物がバンクにぶつける、車止めより大きく飛び出したシェルが、建物や停めている自転車にぶつけるのはキャブコンあるある。クルマのエントランスの取っ手カバー部分やサイドの押し出し窓を破損するなんてこともありがちだ。
保険・補償制度は予約時にしっかり確認しておくべきことのひとつ。
装備については使い方次第だが、冷蔵庫があれば夏でも食品の管理が楽になる。容量は小さめであることが多いので、手持ちのソフトクーラーと併用したい。
ワーケーション狙いなら夏はパワフルな家庭用エアコン、冬はFFヒーター、そしてキャンプ場のACサイトから電気を取り入れられる外部電源、2泊以上なら走行充電もほしいところだ。
大きな違いは当日の受付〜出発までの時間だろう。
レンタル当日はエアコンやFFヒーターといった装備の使い方をしっかり教えてもらう。給油口を開くには別の鍵が必要な場合があるし、土足禁止、においがつく調理禁止など乗用車とは違ったルールを設けていることも多いのでおざなり厳禁。出発までに30〜60分ほどかかるので、余裕を持ったスケジュールにしておこう。
ペットとの旅は申告を
電車の旅よりもペットのペースにあわせやすく、大きなケージを載せてもゆとりがあるキャンピングカーの旅だが、キャンピングカーをレンタルする場合、ペット同乗不可だったり追加料金がかかることが多い。ペット同乗だと申告をして、必ず条件を確認。
当日は抜け毛対策のシーツやペットが落ち着いて過ごせる毛布、粘着式クリーナー、マナーベルトも忘れずに。