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Web3の時代に「選ばれ続けるブランド」になるための重要なコミュニティとカルチャーづくり

2023.06.30

これからの時代に「選ばれ続けるブランド」を作るにはどうすればいいのか?
アクセンチュアによれば、そのカギとなるのがコミュニティとカルチャーづくりだという。ソーシャルメディアにおいて自社製品情報を発信している企業は多くあるが、Web3技術の浸透に伴い、これまでのような単純な情報交換や相互承認の場を超え、ブランドへの主体的な参加を促すようになっていくはずだ。

本記事ではNFT等のWeb3技術を活かしたファン同士またはファン-ブランド間の「つながり方の変化」をアクセンチュア株式会社 Accenture Song デザインリサーチ アソシエイト・ディレクター レベッカ・ブッシュ氏とアクセンチュア株式会社 Accenture Song デザインリサーチ スペシャリスト 渡邊 光祐氏に解説いただいた。

ソーシャルメディアが失いつつあるもの

TwitterやInstagram、TikTokなどのソーシャルメディアは今日の企業にとっては自社の情報発信の場として欠かせない存在になっています。他方、ソーシャルメディアの出自を考えると、ソーシャル(社交的な)という言葉の通り、かつてはリアルでの“つながり”をデジタル上に持ち込み、互いの近況や趣味活動を発信し合って楽しむという使われ方が多かったでしょう。しかし、昨今では情報収集のためだけ、いわゆる「見る専」としてソーシャルメディアを利用しているという人も多く存在します。そこで昨今のソーシャルメディアは、かつてのような「デジタル上にあるコミュニティ」という側面が、企業からの情報発信の中にかき消されつつあるともいえるのです。

こうした背景の中、アクセンチュアがビジネス、文化、社会を形成する人々の行動をトレンドにまとめた最新レポート「Accenture Life Trends2023」の中では、Reddit、Discord、Twitchといったプラットフォームの盛り上がりに注目しつつ、かつてはソーシャルメディアの中で営まれていた「コミュニティ内輪のニッチなコミュニケーション」を味わう場が、先のような新たな場所に取って代われつつあることが指摘されています。

Web3技術による「新たなつながり方」が企業にもたらす可能性

共通の関心事を軸とした人々のつながり、すなわちファンコミュニティは、企業の成長にとって、切っても切り離せない関係にあります。それは単に、あるブランドの熱狂的なファンがヘビーユーザーとして売上に寄与するという点からだけでなく、コミュニティ自体が製品やサービスの良さを生活者ならではの視点で世間に伝播させ、そして時にはそのブランドへの愛情や情熱がイノベーティブな製品やサービスアイデアを企業にもたらしてくれることがあるからです。

コミュニティを起点としたマーケティングのあり方は2000年代初頭から注目されています。しかしファンコミュニティの「今」を見る際には、NFT等のWeb3技術を活かしたファン同士またはファン-ブランド間の「つながり方の変化」を捉えることが重要です。

例えばファッションスポーツブランドであるラコステのNFTプロジェクト“UNDW3 (アンダーウォーター) ”はこれを考える上で、非常に示唆に富む事例です。このプロジェクトではブランドを象徴するN12ポロシャツを記念し、11,212点のNFTコレクションの販売を行いました。さらに、UNDW3ではNFTの購入者に対してDiscordコミュニティへの限定アクセス権を付与することで、熱狂的なファン同士のつながりを強固にするだけでなく、NFTホルダーであるファンが、そのDiscordコミュニティを通じて、ブランドに対して継続的に意見を届けられる仕組みを作り上げています。またDiscordでは発言回数やコミュニティが設定したタスクの達成回数が可視化されるため、ファンは好きなブランドを単に応援する一人の顧客という存在を超え、いまやブランドの共同オーナー(Co-Owner)のような存在になることができるようになっているのです。

作成:アクセンチュア

Web3技術の浸透に伴い、これまでのファンコミュニティの存在は、単純な情報交換や相互承認の場を超え、ブランドへの主体的な参加を促す存在に移り変わっています。こうしたブランドへの参加権の付与は、ブランドへのロイヤリティをさらに引き上げ、継続的にそのブランドを選ぶ強いモチベーションになるでしょう。言い換えれば、顧客ロイヤリティを高めるために、現在広く見られる金銭的な価値をもったポイントを付与するモデルは今後、その次の姿として魅力的な「参加権限」を付与することが一つの鍵となるでしょう。これにより、企業は一時的な金銭的ベネフィットで構築する顧客との刹那的な関係ではなく、顧客のライフタイムに寄り添った長期的な関係を築くことができるようになります。ブランドを取り巻くコミュニティは、企業の優良フォロワー(Follower)なのではありません。Web3技術の浸透を背景に、いまやその存在はブランドの参加者(Participant)という次なる次元に引き上がりつつあること、これを捉えることが今日のファンコミュニティを考えるうえでのポイントです。

コミュニティによる参加をビジネス成長につなげるには

またWeb3技術をうまく活用しつつ、ファンコミュニティにブランド参加の機会を与え、そこから新たなビジネス成長を生み出すには「カルチャー(文化)」という視点も欠かせません。なぜならば、先の事例のようなファンコミュニティという箱を作ったとしても、その中で顧客のブランドへの熱量(ロイヤリティ)が持続し、魅力的な製品やサービスを作ることに関わりたいという空気が生まれるだけの“強いカルチャー”がなければ、実際のイノベーション創出にはつながらないからです。言い換えれば企業はファンコミュニティがより自律的に何かを生み出すだけの十分な引力を作り出すことが欠かせないのです。

作成:アクセンチュア

そこで企業が大切にすべきものは、コミュニティはあくまでそこに属する人々のための“居場所”だという価値観です。そしてその上で、コミュニティの中にいる人々が、その場所に帰属意識を感じられるだけの“強いカルチャー”がつくれているか、という視点をもつことが非常に重要です。

例えば、世界最大のラム酒ブランドであるバカルディでは、プレミアム商品の発売に際し、ラム酒の故郷であるカリブ海の音楽やストリートカルチャーに根付いたNFTコレクションのオークションを実施し、そうした文化を愛する人々からの関心を効果的に集めています。この事例では「参加権限」や「アクセス権限」の付与という観点こそ現時点ではありません。しかし自社ブランドと親和性の高いカルチャーを見定め、それを引力として尊重し、そのコミュニティを巻き込もうとしている興味深い事例と言えます。

真の意味でのコミュニティファースト

ファンコミュニティを捉えたマーケティングや事業開発は決して真新しいアプローチではありません。しかし、ソーシャルメディアの使われ方が変化し、Web3技術によって人々のつながり方に変化が起きるなかで、企業はこれまでの以上にコミュニティを起点としたアプローチが求められてきています。

デジタル上に存在する自社ブランドのファンは、単なる“優良顧客”なのではなく、独自のカルチャーを持つ共同体です。そうした共同体のカルチャーを尊重し、支えながら、有意義な「ブランド参加」の機会を与えることが、未来でも選ばれ続けるブランドになるために欠かせない営みになることでしょう。

<執筆者>

アクセンチュア株式会社
Accenture Song デザインリサーチ スペシャリスト
渡邊光祐
慶應義塾大学環境情報学部にてデザインリサーチを専攻後、アクセンチュアに入社。
デザイン技法を活かした生活者調査を専門とし、官公庁から小売まで幅広い業界におけるビジョン策定・ブランド戦略・UX/UI設計に従事。

アクセンチュア株式会社
Accenture Song デザインリサーチ アソシエイト・ディレクター
レベッカ・ブッシュ
UXやサービスデザイン、顧客調査を専門とし、ビジネスとクリエイティブ領域のチームマネジメント経験を持つデザイナー兼リサーチャー。デザインを戦略に生かすプロジェクトに4大陸で携わってきた。日本在住歴は4年で、仕事外でも陶芸や織物、食を通して豊かなモノづくりの文化を学ぶ。多様な人々と協働し非凡な成果を達成することに情熱を持つ。

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