火力発電に使う燃料の液化天然ガス(LNG)価格の上昇を理由に、6月1日(木)より家庭向け電気料金が値上げされた。家庭向けで契約者が多い規制料金の値上げ幅の各社平均は15%~39%で、7月から請求されるようになる。
値上げ幅が最も小さい東京電力でも15.9%で、1か月当たり400キロワットアワーの電力を使用した場合、約2,000円の値上げとなることが予想※1されている。
※1 経済産業省による2022年11月分(値上げ申請前)と比較した試算
今年の夏は熱中症予防のため、エアコンは欠かせないが電気料金はなんとかして抑えたいところ。
そこで日本テトラパックは、子どもがいる25歳から49歳の働く女性500名を対象に節約に関する意識調査を実施。あわせて食品ロス削減のプロ 島本美由紀先生に節約の極意を聞いた。
日常生活で節約を意識している女性は9割
昨年から生活必需品や様々なものが値上がりを続けている。日常の生活で節約を意識しているかを聞いたところ、「常に意識している(46.4%)」「まあまあ意識している(44.6%)」で、約9割の女性が節約を意識していることがわかった。
節約をしているジャンルでは、「食料品」が82.7%で最多で、「電気代」が60.8%と続く結果に。
調査概要
期間:2023年3月13日~15日
対象・条件:子どもがいる25~49歳、有職者の女性
回答数:500人
エリア:首都圏
手法:インターネット調査
調査会社:株式会社クロス・マーケティング
パンパン冷蔵庫はNG!あなたの家の冷蔵庫はどうなってる?
電気代が気になる家電のひとつに冷蔵庫がある。資源エネルギー庁が公開している「家庭における電気製品の1日の電力消費割合」※2においても、冷蔵庫はエアコンに続いて2番目に高く、電気代が値上がりしているいま、電気代を抑えるための工夫が必要な家電だ。
※2 資源エネルギー庁 平成30年度電力需給対策広報調査事業の結果より
冷蔵庫内がパンパンになっている人は要注意。冷気が効率よくまわらず最適な温度を保つのが困難になっているため、最適な温度にしようと余計に電力が必要となり電気代が上がってしまう。
また中身がいっぱいで何がどこに入っているか管理ができていないと、扉の開閉時間や回数が増え、冷気が外に逃げてしまうことも。再度、庫内を冷やすことになるため、電気代が余計にかかる。
ついつい冷蔵庫になんでもかんでも詰め込んでしまいがちだが、実は冷蔵庫に入れる必要がないものを外に出すなど、ちょっとした工夫でスペースをつくることで電気代を抑えることもできるので、冷蔵庫内の食材管理の方法を意識しよう。
島本美由紀先生(料理研究家・ラク家事アドバイザー)による解説
電気や日用品などの価格高騰を実感したことで、“節約”を意識し始めた人も多いかもしれません。少しでも家計をラクにしたいと思っていたら、毎日使う冷蔵庫の収納方法を見直しましょう!ポイントは「7割収納」です。
冷蔵室にはものを詰め込まず7割以下にしましょう。なかがよく見えるので開閉の時間が減らせて節電に。また、庫内がしっかりと冷えるので食材も長持ち。
透明な容器を使ったり、カゴを使って取り出しやすくすれば、ひと目で庫内を把握できるので、自然と無駄な買い物も少なくなります。
反対に冷凍室の収納は7割以上にすること。庫内に食材がたっぷり詰まっていれば冷気が逃げにくく、節電にもつながります。空いている時間を短くするためにも、冷凍室は食材を重ねず立てて収納しましょう。
冷蔵庫の使い方を見直せば、節約はもちろん、食品ロスを防ぐことにもつながります。ぜひ7割収納を意識して、冷蔵庫の見直しをしてみて下さい。
島本先生おススメ「冷蔵庫7割収納」を無理なく実現するためのテクニック
テクニック1:ロングライフ紙パックを活用
開封前のロングライフ紙パックは常温保存が可能なため、普段冷蔵庫で保管している牛乳や豆腐など、冷蔵保存のイメージのある食材を冷蔵庫には入れず、棚や引き出しに収納することができます。
また、コンパクトで直方体なのでデッドスペースもできません。そのため、牛乳・野菜ジュースなどの飲料から、お豆腐やスープなど、毎日使う食材も冷蔵庫の空きスペースを作りながら収納棚にストックしておくことができます。
冷蔵庫内がすっきりすることで食材の管理がしやすくなり、ローリングストックもしやすくなるので、フードロスの削減にもつながります。
テクニック2:瓶や缶の物は開けるまで冷蔵庫に入れずに保管
ジャムなどの瓶物は冷蔵庫に入れないとすぐにダメになってしまうと思いがちですが、開封前は冷蔵庫に入れなくても大丈夫です。
缶飲料なども詰め込まず、定位置を決めて必要な分だけ冷蔵庫に入れるようにすれば飲みすぎ防止にも。また頻繁に使わない調味料は瓶ごと冷凍しておくと長期保存できて風味も変わらないので便利です。
テクニック3:保存容器は同じ種類で同じ大きさに揃える
保存容器は何がはいっているか外から見てわかる透明なものを使いましょう。容器は同じ種類同じサイズに統一して、容器を重ねてもデッドスペースができないようにしましょう。
料理研究家・ラク家事アドバイザー 島本美由紀先生
食品ロス削減アドバイザーとしても活動し、ラク家事アドバイザー、食品保存&冷蔵庫収納アドバイザー、防災士の肩書を持つ。令和3年消費者庁主催の食品ロス削減推進大賞審査において、審査委員長賞を受賞。親しみのある明るい人柄で、テレビや雑誌、講演会を中心に多方面で活躍。絵本「食品ロス『もったいない』をみんなで考える」の監修ほか「もしもに備える!おうち備蓄と防災のアイデア帖」など著書多数。
関連情報:https://www.choi-stock-raku.com/
構成/Ara