本格的な雨や台風のシーズンが目前に迫っている。この時期、天気や気圧の変化による身体の不調「天気痛」に悩まされる人はどれくらいいるのだろうか?
ウェザーニューズはこのほど、本「天気痛」の症状や対策方法などの実態について調査するため、「ウェザーニュース」アプリおよびウェザーニュースのウェブサイトを通して「天気痛調査2023」を実施した。
ここでは、調査結果とともに、気圧医学の第一人者である佐藤純医師による天気痛の症状や対策方法についての解説、ウェザーニューズ予報センターで「天気痛予報」を担当する大塚靖子気象予報士による天気痛の気象要因についての解説も、併せて紹介する。
日本人の7割近くに天気痛の自覚あり、女性は半数以上が天気痛持ち
「あなたは天気痛を持っていますか?」と質問し、“はい”“持っている気がする”“いいえ”から選択してもらった。全国19,897人から寄せられた回答を集計した結果、全体の7割近くの人が“はい”もしくは“持っている気がする”と回答し、天気痛の自覚があることがわかった。
性別で見ると、女性は半数以上が天気痛持ちで、“持っている気がする”と回答した人を合わせると8割以上の人に天気痛の自覚があることがわかった。
都道府県ごとに見ると、天気痛の自覚がある人の割合は徳島県がトップの77.6%だったほか、日本海側よりは太平洋側、九州では東シナ海側で多い傾向があった。
※この先②〜⑨の質問は、①で“はい”もしくは“持っている気がする”と回答した人(13,644人)を対象に行った。
症状第1位は頭痛、8割以上に頭痛の症状あり
天気痛を持っている、もしくは、持っている気がすると回答した人に「天気痛の痛み・症状はどれですか?」と質問し、“眠気”“頭痛”“吐き気”“腰痛”“肩こり・首こり”“関節痛”“めまい”“耳鳴り”“むくみ”“だるい”“その他”から選択してもらった。
回答を集計した結果、天気痛の症状として圧倒的に多かったのが頭痛(回答者の82.0%)で、2番目が肩こり・首こり(43.6%)、3番目がだるい(37.2%)となった。
性別に見ると、女性と男性の両方とも症状の第3位までは同じだったが、女性の第4位と第5位にはめまいや眠気が、男性の第4位と第5位には関節痛や腰痛が入り、性別による症状の傾向の違いが見られた。
3人に1人は週に2回以上発症、若い世代ほど発生頻度が高め
天気痛の症状はどのくらいの頻度で訪れるのか質問し、“ほぼ毎日”“週に2〜3日”“月に数回”の中から選択してもらった。回答を集計した結果、最も多かったのが“月に数回”で66.9%、次いで“週に2〜3回”で26.1%、“ほぼ毎日”と回答した人は7%だった。
週に2〜3回とほぼ毎日の人を合わせると、3人に1人が週に2回以上、天気痛の症状に悩まされていることがわかる。性別、年代別に見ると、男性よりも女性のほうが発症の頻度が高く、また若い世代ほど発症の頻度が高いことがわかった。
予防方法の第1位は「天気予報をチェック」で約半数が実践、「特に何もしていない」のトップは富山県
天気痛の予防方法について「普段、天気痛の予防はしていますか?」と質問し、該当する選択肢を複数選択で回答してもらった。最も多かったのが“天気予報をチェックする”という回答で、全体の約半数の人が実践していた。
次いで“天気痛予報をチェックする”、“薬を飲んでいる”、“運動・ストレッチをしている”の順で回答した人が多く、前回の2020年の調査時よりも何もしていない人が減り、天気痛予報や薬で予防をする人が増えていた。
ただ、依然として天気痛の自覚がある人でも4人に1人以上が何もしていないことがわかった。都道府県ごとに見ると、“特に何もしていない”と回答した人の割合が最も多かったのは富山県で、次いで和歌山県、熊本県となった。
富山県(前回4位)と鳥取県(前回2位)を除いて、2020年の調査からトップ10が入れ替わっており、この3年で天気痛や予防方法の認知が広がったことで、トップ10に入る都道府県も変わってきたのではないかと考えられる。
佐藤医師コメント
多くの方が、天気予報や天気痛予報を活用して、体調が悪くなるのを予防してくださっていることがわかり、大変心強い結果だと思います。体調が悪くなったり、頭痛の前触れを感じたりするタイミングは人によって異なるため、自分なりのタイミングを見つけて耳を温めたり「くるくる耳マッサージ」をしたり、あるいは早めに薬を服用するなどしてください。本格的に症状が出る前に行うことが重要です。