ロシア・ウクライナ問題で、欧米諸国がロシアのエネルギー供給を断った。エネルギーが政治的な駆け引きに利用される世界で、日本株にはどんなチャンスがあるのか。地政学リスクのプロ・市川氏が解説する。
国を挙げて脱炭素を実現しエネルギー産業に取り組む
資源エネルギー庁によれば、エネルギー資源の自給率は約12.1%(2019年度、下図)と、ほとんどを海外からの輸入に頼っている状況にある。この状況を受け、今年2月には、脱炭素を実現し再生可能エネルギーや原子力の安定供給に向けた「GX実現に向けた基本方針」が閣議決定された。この波に乗る可能性がある企業に注目が集まっている。
「ロシア・ウクライナ問題を契機にしたエネルギー問題は欧米を中心としたエネルギーインフラの構造を大きく変えつつあります。この変革期に飛び込めるような企業にはチャンスがあると見ています。
中でも水素社会の実現に向けた水素エネルギーや、水素と同じく燃焼時に二酸化炭素を排出しないアンモニア関連のビジネスには、ロシアに依存しないエネルギー供給が実現できるかもしれないとして期待が集まっています」(市川さん)
関連する企業で言えば、国内で水素ステーションや水素製造を行なう岩谷産業(8088)や、クリーンなアンモニア合成技術を持つ日揮ホールディングス(1963)などがある。
日本国内でのエネルギー自給率を底上げし、国を挙げてGX実現を目指す施策に対し、その波に乗りたいところだ。
ピクテ・ジャパン
シニアフェロー
市川眞一さん
国内外の証券会社でのストラテジストの経験や、内閣官房構造改革特区評価委員など公職の歴任経験多数。
主要国のエネルギー自給率比較(2019年)
石油や天然ガス生産量が僅少で再生可能エネルギー量も不十分。電気代の高騰など我々の生活に悪影響を及ぼす。
取材・文/久我吉史
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