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業績絶好調のオリエンタルランドに学ぶ値上げの極意

2023.06.02PR

日常のサービスや商品の儲けの仕組みを分析し、わかりやすく解説する「#会計クイズ」の中の人でお馴染みの大手町のランダムウォーカーさんによるVoicyの人気番組「毎日10分間の数字で考える習慣」。今回はこちらの配信の中からDIME編集部がセレクトした注目コンテンツを記事としてお届けします。ぜひVoicyの放送と合わせてご覧ください!

※この記事はVoicyで配信したされた「ディズニーランドが過去最高の業績の背景(2023年5月18日)を文字起こしのうえ、再構成したものになります。

入園者数はコロナ前の3分の2にもかかわらず、なぜ業績が回復しているのか?

今回はオリエンタルランドの最新決算から価格戦略の重要性についてお話します。身近な商品にもさまざまな価格戦略がありますが、オリエンタルランドはかなりうまくやっています。この辺りのことについて、友達や同僚の方、もしくは先輩や上司の方に話すネタとして、1つ持ち帰っていただけたらと思います。

皆さんご存知の通り、オリエンタルランドはコロナ渦でとても大きな赤字を出しました。入園者規制はもちろん、休園などもしていたからです。「ディズニーランドに1ヶ月入れません」ということになれば、当然、売り上げ・利益が落ちますよね。基本的にオリエンタルランドの売上高は“チケット収入×入園者数”。ディズニーランドへ行くときに皆さんがチケットを買う、あれが売り上げになるイメージですね。

しかし、実は最新の決算でオリエンタルランドは著しく業績回復していることがわかっています。売上高が、2019年度の数値にかなり近い数値、つまりコロナ前の水準まで回復してきているのです。

どのように売上が戻ったのか。ひとつポイントがあります。

入園者数はまだコロナ前の3分の2程度しか戻ってきていません。それにもかかわらず売り上げがコロナ前と同じ水準に戻ったのは、値上げをしたからです。値上げをして、3分の2の入園者数で元の売上高まで引き戻している、というのがディズニーランドの今の業績になっています。

やっぱり値上げはかなり強いです。

皆さん知っていると思うのですが、日本で値上げをするのはとても大変です。「ガリガリくん」は10円値上げしただけで「10円値上げします、すいません」というような広告を出していました。そんな広告を出してしまうぐらい値上げが難しい国にもかかわらず、ディズニーランドはチケット代を平気で2、3000円値上げしているのです。値上げをすれば、入園者数が元の水準に戻っていなかったとしても、単価を上げた分だけ売り上げが上がりますよね。これが業績回復の背景です。

オリエンタルランドの値上げ戦略

実は、オリエンタルランドはコロナ前から値上げをしてきました。今回はコロナ明けでさらなる値上げに踏み切ったので目立ちましたが、定期的に500円や1000円の値上げを繰り返しているのです。

コロナ前の話ですが、値上げをしたタイミングで絶対に入園者数は減ります。値上げをしたら客数が減るのは一般的な動きですが、オリエンタルランドはその後に必ず客数を戻すようなイベントを用意しています。例えば「新アトラクションができました」とか、「ディズニーランド30周年記念です」のような形です。この会社は節目のタイミングで絶対に人を呼び戻すことができるのです。パークの節目のタイミングで、あるいは消費税増税といったタイミングで絶対に値上げしてきたので、今回のコロナ禍でも容赦なく値上げをする。その結果、元の入園者数に満たなくても売上高は元の水準まで戻っている、そんな動きになっています。

入園者数に関しては、コロナ前の3分の2程度まで回復しているのですが、元の水準まであと1000万人ほど余力があります。今の客単価でさらに入園者数が1000万人プラスされたらまだまだ業績は上がるんじゃないか、そんな読み方もできるのが、オリエンタルランド復活の背景となっています。

だから、「オリエンタルランドってまだ赤字じゃないの?」なんて思っている方、実は最新決算を見ると全然もうそんなことはなくて、むしろコロナ前よりも業績が回復しそうな勢いになっていることだけ押さえていただけたらと思います。ということで本日はオリエンタルランドから学ぶ価格戦略の話でした。

☆  ☆  ☆

なお、今回の内容に興味を持った方はより詳細に解説した以下の記事も是非チェックしてみてください。大手町のランダムウォーカーさん自ら図解を交え、解説しています!

ディズニーランドの事例で学ぶ価格戦略の重要性!成功例を図解で解説

大手町のランダムウォーカー
公認会計士試験合格後、大手監査法人勤務を経て独立。「日本人全員が財務諸表を読める世界を創る」を合言葉に「大手町のランダムウォーカー」として「#会計クイズ」を始め、様々な業種・立場の人をネット上で巻き込み好評を博す。現在は株式会社Fundaにて、営業メンバー・新規事業立ち上げメンバー向けにアプリを使ったビジネス研修サービスを提供。初の著書『世界一楽しい決算書の読み方』(KADOKAWA)は紙・電子累計25万部を突破。
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構成/編集部

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