各種ハラスメントや健康問題などに関する外部相談窓口サービス「アンリ」を運営するドクタートラストから、2022年4月~2023年3月に同サービスに寄せられた相談を分析したリポートが発表されたので概要を紹介していきたい。
相談内容の内訳~社内の人間関係の相談が大きく増加
2022年度の全体の相談件数は2021年度に比べて増加傾向にあり、なかでも増加率が大きかったのは「メンタルヘルス(前年比113.2%)」、「ハラスメント(同比119.6%)」だった。
これは2022年4月から規模を問わず全企業のハラスメント対策が義務化、相談窓口の設置が進んだことが要因であると考えられる。
また、内容で大きく変化があったのは、新型コロナに関する相談で、件数は4件(前年比11.1%)と激減した。
職場にかかわる相談内容で最も多かったのは、2021年度同様に「上司・先輩との関係」だった。
一方、2021年度からの増加率でみると「部下・後輩との関係(前年比170.4%)」と「同僚との関係(同比146.8%)」が大きく伸びている。部下の勤務態度や同僚の言動など、相談内容は多岐にわたり、上下関係のみではなく、横のつながりにおいても、困惑が生じやすい状況が推察できる。
相談方法の内訳~その場でアドバイスできる電話が最も多い
外部相談窓口サービス「アンリ」では、相談方法に「電話」「メール」「WEB(オンライン面談)」の3タイプが用意されている。相談方法の内訳としては、「電話」が57%、「メール」が約36%、「WEB」が約8%で、電話での相談を希望する人が、多い状況となっている。
電話相談のメリットとしては、その場で相談者の状況を詳しく聞くことができ、すぐに返答・アドバイスできる点が挙げられる。また、声の状態も含めて相談者の様子を、より詳細に把握できる。
一方、メール相談については、匿名性がより高く、相談者の好きな時間に相談ができること、自身のペースで悩みを書きつづるなかで問題整理ができることが特色と言えるだろう。
WEB面談はリモートワーク環境にいる人、自宅で仕事をしている人、SEの方など、オンライン環境に慣れている人が利用する傾向になる。
相談内容としても、オンライン面談は頭脳労働をされている人からの相談が多い。WEBでの相談においては、相談者の表情が直接見ることができるので、言葉だけでは伝わりにくい感情面を共有しやすい点が特徴となる。
関連情報
https://doctor-trust.co.jp/
構成/清水眞希