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20~30代の若手社員が転職する時、最終的に決め手となる要素は?

2023.05.22

アイデム「人と仕事研究所」では、求人と求職の両視点から労働市場に関する独自の調査分析を行ない、さまざまな情報を発信している。今回は転職者が300万人台に回復したと言われる労働市場に関するリポートが到着したので、その概要を紹介したい。

転職者は35歳以下の若年層が最も多い

採用募集に関して「若手が欲しいが、なかなか応募者が来ない」という声はよく聞かれる。しかし、転職者で最も多い年齢層は35歳以下の若者なのだ。

「2022年労働力調査(詳細集計)」によると、2022年の転職者数は303万人。コロナ禍の影響で2021年には290万人まで低下したが、ようやく300万人台まで回復してきた。過去4年をさかのぼって、年齢別に転職者数をグラフ化すると図1のようになる。

2022年では、25~34歳の転職者数が75万人で最も多く、35~44歳が56万人と2位以下を大きく引き離しており、この傾向は以前から続いていることがわかる。

現在働いている人(就業者)で転職を考えている若手は2割以上

一方、転職を考えている人の割合(転職希望者=転職希望者+非転職希望者)でも、25~34歳が22.7%と圧倒的に多い。しかも、その割合は年々増え続けている。

いわば転職予備軍は日々増強中で、「転職したい」と思っている就業者は意外に多いのだ。

若手層(25~34歳)の転職はこれから一気に進むのか?

転職希望者も、実際の転職者数も多い若手層だが、実は転職潜在力はまだまだ高いものがある。

24歳以下・55歳以上の就業者は、転職“希望者”数と転職者数の乖離が小さく、転職しようと思っている人は実際に転職する割合が高いように見える。

これに対して25歳以上54歳未満の就業者では、転職希望者数の多さの割に実際に転職する人は少なくなっている。

企業にとって最も獲得したい年齢層がゆえに、多くの若者向けの求人が出ているのにもかかわらず、実際の転職活動に結び付いていないというのは、意外とも思える状況と言えるだろう。

なぜ進まぬ?働き盛り層の転職事情

「enミドルの転職」のユーザーに聞いたアンケート調査に興味深い結果があったので引用したい(ユーザーアンケート第54回「転職のリスク」について)。

Q.会社を「辞めること」にリスクを感じるか?
・感じる67%(非常に感じる22%+感じる45%)
・感じない33%(あまり感じない22%+ほとんど感じない11%)
※年齢層が低いほど会社を辞めるリスクを低く感じている(20代51%、30代59%)

Q.会社に「とどまること」にリスクを感じるか?
・感じる80%(非常に感じる20%+感じる60%)
・感じない20%(あまり感じない15%+ほとんど感じない5%)
※年齢層であまりバラつきなし(20代76%、30代83%)

辞めるリスク(67%)も、残るもリスク(80%)もあり、ジレンマを感じている様子がわかる。

どちらか一方を選択することは、色々なことを天秤にかけなければならないということ。

特に、働き盛り層は、今後のキャリア、収入をマイナスの方向に向かわせるリスクは避けなければならない。

「今後」をより大切にするがゆえに、大きな決断を迫られ、慎重にならざるを得ないのかもしれない。

若者層の望むものは「仕事の内容」

それでは、何が求職者の心を揺さぶり、転職への意思決定の決め手となるのか。図4のグラフは厚生労働省が実施した調査で、転職先を選んだ理由について聞いたものだ。

20代から30代前半にかけて特徴的なのは、「仕事の内容・職種に満足がいくから」が高い水準にあるということ。以降の年代は、経験をベースに「自分の技能・能力が活かせるから」の割合が高くなり、50代以降はその傾向が顕著となっている。

一般的に、離職理由として「賃金」や「労働条件」「人間関係」を挙げることが多いはず。離職理由は、転職先で改善・リセットしたいこととほぼ同じ。

ただ、賃金や労働条件は、ものすごくよい待遇を求めているわけではなく、今よりも改善して許容できる範囲であれば、それでよいという人も多いのではないだろうか。

絶対に外せない、最低限の条件をクリアしたうえで転職の決め手となるのは、最終的に「仕事の内容」のようだ。

2023年、転職潜在層は動くのか?

上記引用した、労働力調査によれば転職希望者は968万人。そのうち34歳以下が344 万人(2022 年平均)で、3分の1以上が若年層だ。

景気回復期は、多くの企業で求人が活発に行われるようになり、コロナ禍で就職に苦慮した若年層は自分の求める「仕事」を積極的に探し始める傾向もある。

また、2、3年前から「大量離職時代」(TheGreat Resignation)が指摘され、アフターコロナで景気が回復しつつある欧米では、大量の自主退職が発生しているといわれているが、コロナ禍で経験した労働環境の大きな変化を受け、今までの働き方を再考している人が増えていると分析されている。

日本でも、「在宅ワーク」「リモートワーク」といったワードは転職でのキーワードとして注目が高まっていると感じられる。日本でも条件が整えば、大量離職(転職)時代がやってくる可能性もある。

労働市場にあふれ出した求職者の転職先となり得るか?

そのためには、市場から大きくかけ離れない労働条件(賃金や労働時間など)の設定と、「在宅ワーク」などの柔軟な勤務形態の工夫が必要だ。

特に在宅ワークは、若年層にとって「通勤時間は短い方がよいと考えている(時間のムダ)」「地元から離れずとも仕事の選択肢が広がる」などの理由から訴求力が高くなってきている。

企業側からしても、今まで採用をする上での競争は、自社通勤圏内企業であったものが、極端に言えば全国の企業がライバルとなり得るため、その影響は大きいものがある。

そして最後は、いかに自社の仕事の内容を「求職者に訴求するか」にかかっている。

仕事の内容を魅力的に表現するということばかりではなく、自分自身の今後のキャリアを試行錯誤している若者層に響かせるには「この仕事がどのようなことに(誰の、どのような課題に)役立っているのか?」「この仕事することで、どのような成長が望めるのか?」などを説明していく必要があるだろう。

関連情報
https://apj.aidem.co.jp

構成/清水眞希

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