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伝統食材を使ったプラントベースフード、パッケージデザインAI、FOODEXで見つけた最新フードテック4選

2023.05.19

最新技術を用いて食分野の課題解決や改革を目指すフードテック。日本でも開発が進んでいる。2023年3月7日~3月10日に東京ビックサイトにて開催された「FOODEX JAPAN 2023」でも、さまざまなフードテックも出展した。

「FOODEX JAPAN」とは、アジア最大級の食品・飲料展示会。出展者・来場者双方のビジネス拡大に絶好の場として利活用されている。

本記事では、出展された商材について、2つのジャンル各2社ずつ注目のものを取り上げる。一つは、「日本の伝統フードを使った新フード」、もう一つは「食品パッケージの新しい取り組み」だ。それぞれ革新的なポイントや来場者のリアクションと声、今後の展望についてインタビューを行った。新しい食品分野の発展を感じられる。

1)日本の伝統フードを使った新フード

1.おからとこんにゃく使用のプラントベースフード「Deats®(ディーツ)」

奈良県発のディーツフードプランニング株式会社が手がける「Deats®(ディーツ)」は、日本の伝統的食材である「おから」と「こんにゃく」を原材料とした、次世代の植物由来の食品、プラントベースフードだ。これまでのプラントベースフードの常識を変える新しい切り口という。

同社のマーケティング部 栗原亜里沙氏に話を聞いた。

●出展した商材の革新的なポイント

「弊社は、おからとこんにゃくを原材料とした食材を開発・製造・販売しています。本来、捨てられてしまう食料残渣であるおからを活用することで、現在問題になっている環境配慮への取り組みを行っています。また、独自の特殊技術でおからとこんにゃくが持つ特有の臭いを分解し消しているため、肉や魚の代替にとどまらず、米や麺の主食、甘味やソース等、幅広い食材へのアップサイクルが可能である点が最大の特徴です」

ディーツを用いたカツ丼

「FOODEX JAPAN 2023では、プラントベースの進化とブラッシュアップを目的としたInDeats、高騰する原材料への補助で効果を発揮したり、健康への価値を提供するWithDeats、疾患やアレルギー等で食べられない方にも食の美味しさ・楽しさを提供するByDeatsの3つの開発指針をベースに展示品と試食を多数ご用意いたしました」

●来場者のリアクション

「ご来場いただいたお客様には、においがないことや多様なメニューを展開できることで同業他社との差別化ができていることを理解していただけました。また、他企業への貢献を行い、すべての人が楽しめる食づくりをプロデュースする会社としての取り組み方に、多くの方々から感嘆の声と同時に興味を持っていただけました。

試食では、さまざまな企業様に採用いただいた商品や、リアルの肉や魚と融合させたハイブリッド商品、ウニや明太子、ウナギやキャビア等の高級食材を再現した商品等、どれも大変好評でした」

● 「Deats」を試食した人の感想

ディーツを用いたチャーハン

「ブースでは、カツ、カツサンド、メンチ、フィッシュバーガー、唐揚げ、白身魚焼き、チャーハン、とり皮、鮭、ツナ、ナゲット、明太子、タルト、スムージーを、希望の方にはウニやキャビアも試食で提供しました。

主に『美味しい』『お肉の食感が出ている』『本物の明太子みたい』『おからとこんにゃくからできているとは思えない』『大豆臭がない』『ヘルシーなのがうれしい』『カロリーを気にしている人でも気にせず食べられるのが良い』等の感想をいただきました」

ディーツを用いたカツサンド

●今後の展望

「今後は、ディーツの普及を通じて健康・環境・食糧問題(食糧価格)の3つを改善することを目指していきます。また、InDeats, WithDeats, ByDeatsのコンセプトに基づいてディーツのご提案を行い、企業が抱える『食材の価格高騰』『食品ロス』『機能性と美味しさの両立』等の様々な課題解決のサポートをすることを目標としています。

『Meat, Fish or Deats ?』というキャッチコピーを掲げ、肉や魚に次ぐ第三の新しい選択肢としてディーツが選ばれる世界を目指し、今後も展開をしていきます」

2.がんもどきの進化系フード「GAMMO(ギャンモ)」

大豆を使った伝統フード「がんもどき」の進化系「GAMMO(ギャンモ)」。プロデュースしたのは、大豆食を「ソイフード」として未来につなげることをミッションとする一般社団法人 日本ソイフードマイスター協会だ。日本の伝統食×テクノロジーにより誕生したまったく新しい大豆食品という。

ギャンモを挟んだサンドイッチ

第一弾プロダクトとして大豆食品メーカー株式会社エヌ・ディ・シーによって製品化され、2023年4月3日から発売となる製品がFOODEX JAPAN 2023で披露された。

果たしてどんなフードなのか、同協会 代表理事の池上紗織氏に尋ねた。

一般社団法人日本ソイフードマイスター協会代表理事 池上紗織氏

●出展した商材の革新的なポイント

「ギャンモは、昔ながらの大豆加工食品である豆腐と、現代のフードテックで生まれた新しい大豆加工食品を組み合わせて、いわゆる代替肉としてではなく、豆腐製品の延長線上に作り上げた新しい大豆食品です。噛みごたえを出すことで、これまでの豆腐製品が活用されなかったシーンで使えるように仕上げました。代替肉と活用シーンは似ていますが、一番の革新的な点は『代替肉ではない』ということを明確にしていることです」

ギャンモのパテ(焼く前)

「がんもどきを含む従来の豆腐製品には素晴らしい技術が詰まっています。ただ、総じて『やわらかい』という特徴があります。メインのおかずにするなら、迫力・歯ごたえ・腹持ち感も欲しいところ…と思われる方も多いです。日本が培ってきた大豆加工技術とフードテックをフルに活用すれば、調理や配合次第で、“しっかり噛んで食べる歯ごたえ”を生み出し、メインのおかずとしても満足感を高めることが十分可能です。それを実現したのが、『ネオがんもどき』であるギャンモです」

●来場者のリアクション

「試食をしてくださった方々がほぼ全員『美味しい』と言ってくださいました。代替肉の世界では『大豆であるとはわからない』が褒め言葉ですが、一般的な豆腐製品では、そのようなことはあり得ません。まさに大豆の味やにおいが感じられるからです。ギャンモは歯ごたえとともに、大豆の美味しい味が感じられます。私は、自分が何を食べているかを自覚することはとても大切だと思っているのですが、それに共感してくださる方も多かったです」

●「GAMMO」を試食した人の声

ある飲食店のバイヤーは、次のような感想を述べたという。

「今回の製品は代替肉ではないとのことで、なるほどなと思いました。お肉を模したものとはまったく別物の、おかずとして美味しい、未知の食材。ヘルシーだけれど、とても食べごたえがあります」(飲食店バイヤー)

また池上氏は次のように述べた。

「お肉の代わり、という意識ではなく味わって召し上がっていただきたいと思います。それを理解して召し上がってくださった方は、ほぼ全員が『美味しい!』と言ってくださり、多くの商談につながりました」

●今後の展望

発売される商品概要

「ギャンモの普及が、日本にもともとある大豆食文化を盛り上げ、大豆の自給率アップにもつなげていけたらと思います。また、世界中で広がりつつある代替肉・植物肉の流れに、ベジタリアンでなくても当たり前に大豆製品を食べる日本人の大豆加工技術が、一石を投じるようになれたらと思います」

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