90%以上の事業者は十分に価格転嫁ができていない
エネルギー価格高騰によるコスト増が利益へ影響を与えている中で、価格転嫁の取り組み状況について回答してもらった。
事業者全体の52.7%は「ほとんどできていない」、38.2%が「少しできている(上昇分の1~3割)」と回答し、価格転嫁ができていない割合は90.9%を占めた。
消費者の低価格・節約志向から価格転嫁に躊躇
「価格転嫁がほとんどできていない」と回答した事業者に、その理由について複数回答してもらった。回答者のうち65.9%が「消費者の低価格・節約志向」、46.3%が「他社との競合」、38.8%が「需要の減少」と続き、消費者のデフレマインドが残る中、事業者は価格転嫁により消費者が離れかねないと考え、価格転嫁に踏み切れていないことが分かった。
また、売上額別の価格転嫁ができない理由では、売上額が小さいほど「消費者の低価格・節約志向」の回答割合が高い傾向となった。
エネルギーコスト増の要因は電気料金
中小・小規模事業者の利益への影響として、どのエネルギーがコスト増となっているか回答してもらった。回答のうち66.5%を占めたのは「電気料金」、26.6%が「ガソリン・灯油価格」、6.9%が「ガス料金」となった。
業種別では、製造業・小売業・サービス業では「電気料金」の影響がもっとも大きく、建設業では「ガソリン・灯油価格」の影響がもっとも大きいとの回答となった。
省エネ対策への取り組みは53.2%の事業者が実施も、業種によりばらつき
エネルギーコスト増加に対し、コストダウンにも資する省エネへの取り組みについて回答してもらった。事業者全体で「積極的に取り組んでいる」8.4%と「ある程度取り組んでいる」44.8%を合わせると53.2%となり、半数以上の事業者は省エネ対策に取り組んでいることがわかった。
一方、業種別では、建設業では「積極的に取り組んでいる」「ある程度取り組んでいる」の割合が他の業種に比べ低く、屋外での作業となる建設現場での省エネ対策の推進には課題があることが推測された。