地域別…『四国』除く全地域で前年度比増、『北海道』はコロナ禍直前の2019年度超え
地域別にみると、『四国』を除く全地域で前年度を上回った。『北海道』(前年度142件→206件、45.1%増)は、全地域で唯一コロナ禍直前の2019年度(201件)を超えた。
『中部』(同789件→956件、21.2%増)は、食料品・飼料・飲料製造(同15件→28件)や飲食店(同73件→86件)など食品関連産業で増加が目立った。
以下、増加率順では、『中国』(同237件→280件、18.1%増)、『東北』(同286件→336件、17.5%増)の順となった。このほか、『近畿』(同1482件→1694件、14.3%増)は全府県で増加し、2008年度以来14年ぶりに200件以上の増加。『関東』(同2196件→2457件、11.9%増)は、3年ぶりに増加となった。
一方、唯一減少した『四国』(前年度116件→114件、1.7%減)は、前年度と比べて2件少なく、ほぼ横ばいに近かった。
コロナ融資後倒産…2022年度は445件発生、前年度から倍増し過去最多
「コロナ融資後倒産」は、2022年度において445件(前年度216件、106.0%増)発生した。月次ベースで2023年3月が過去最多を更新するなど、前年度から倍増した。実際の融資額が判明した約220社のコロナ融資借入額平均は約5900万円だった。コロナ融資損失総額は推計413億1453万円にのぼり、国民一人当たり約330円の負担が既に発生している計算になる。
人手不足倒産…2022年度は146件発生、3年ぶりに増加 「2024年問題」運輸業は大幅増
「人手不足倒産」は、2022年度において146件(前年度118件、23.7%増)発生した。コロナ禍前となる2019年度(199件)以来、3年ぶりに前年度を上回った。
業種別では「建設業」(41件)「運輸業」(26件)で多く、特に「運輸業」は前年から2倍以上増加し、残り1年に迫った「2024年問題」を前に人手不足による悪影響が深刻化している。
後継者難倒産…2022年度は487件発生、年度ベースで過去最多
後継者難倒産は、2022年度において487件(前年度476件、2.3%増)発生し、年度ベースで過去最多を更新した。2022年の後継者不在率が60%を下回り過去最低を更新するなか、事業承継を円滑に進められなかった中小企業の倒産が増加している。
特に、「代表者の病気・死亡」が直接的な原因となった倒産は全体の半数を占め、高止まりの傾向が続いた。
物価高(インフレ)倒産…2022年度は463件発生 前年の3.4倍に急増
物価高(インフレ)倒産は、2022年度において463件(前年度136件、240.4%増)発生し、前年度の3.4倍に急増、過去最多を更新した。
業種別にみると、原材料高騰が続く「製造業」と「建設業」が90件を超えた。前年度からの増加が最も大きいのは、燃料費高騰などの要因を受けたトラック運送業など「運輸業」で、前年度比4.6倍に急増した。