新⽣活がスタートするこの時期は、新しくペットを家族に迎える人も多いのではないか。
そこで⼩型⽝に特化したドッグフードなどを手がけるミシュワンから、獣医師の⼤森貴裕先⽣監修によるごはんの選び⽅や与え⽅に関するリポートが到着したので概要を紹介したい。
そもそもごはんはどのように選んだらよいのか
⼤森先⽣ まずはワンちゃんの⽝種、年齢に合わせたフードを選択しましょう。その中からよく⾷べるもの、⼝の⼤きさや⻭の状態、粒の⼤きさ・硬さなどを⾒て、⾷べやすいものを選んでください。
特に初めてワンちゃんを飼う⽅は、「総合栄養⾷」と表⽰されているドッグフードから⽝種や年齢に合わせたものを選んであげるとよいでしょう。「総合栄養⾷」であれば、そのごはんと⽔分を与えることで必要な栄養素を⼗分に摂取することができます。
「総合栄養⾷」と表⽰されていないものは栄養素の⼀部が不⾜している恐れがあります。また、「療法⾷」は何らかの病気に合わせたものなので栄養素が偏っている恐れがあり、⾝体が健康な⼦には合わない可能性があります。表⽰をしっかりと確認して与えてあげましょう。
⽝種によって必要な栄養素に違いはあるか
⼤森先⽣ 原則的に差はありません。ただ、⾷物アレルギーを発症しやすい⽝種はありますので、事前に動物病院で相談しておくとよいでしょう。
安全なごはんかどうか、ウチの⼦に合っているかどうかは、どのように判断するのか
⼤森先⽣ ⼀般的には、⾷品添加物が使⽤されておらず、グレインフリーまたはグルテンフリーであり、ヒューマングレードを満たすものが安全性としては、理想とされます。ワンちゃんは⾁⾷に近い雑⾷のため、穀物を消化しにくい場合があります。穀物はあまり沢⼭与えすぎないよう注意しましょう。
ただ、最終的にワンちゃんに合っているかどうかは実際に与えながら判断することがほとんどですので、⾷べていて吐いてしまったり、下痢をしてしまったりすることがあれば⾝体に合っていないと考えられ、フードの変更が必要でしょう。
どれくらいの量を毎⽇あげたらよいのか
⼤森先⽣ それぞれのフードのパッケージに表⽰されている体重当たりの摂取量を参考にして与え始めましょう。その後数週間して体重を測定し、増えすぎた場合には与える量を減らし、体重が減ってしまった場合には量を増やしましょう。
ドライフードとウェットフードはどちらがよいのか
⼤森先⽣ ドライフードは通常、噛み砕いて⾷べるため、⻭垢や⻭⽯が⾃然と落ちて⼝の中の健康状態を維持しやすかったり、噛む⼒を保ちやすいというメリットがあります。粒に含まれる⽔分量が少ないことがありますので、⼗分に飲⽔を促す必要があります。
⼀⽅、ウェットフードはドライフードと⽐べて⻭の間など⼝の中に汚れが溜まりやすい傾向にあります。⻭に⾷べカスなど汚れが付着していると細菌が繁殖し、⼝臭がひどくなったり、⾍⻭に繋がってしまうので、⾷後は⻭磨きをするか、⻭磨き⽤のおもちゃで⼝のケアをしてあげましょう。ドライフードよりも含まれる⽔分量が多いため、あまり⽔を飲みたがらないワンちゃんにオススメです。
毎⽇同じごはんでも飽きないのか
⼤森先⽣ 性格にもよりますが、通常は同じフードを続けていても飽きません。他のフードを与えられると、その経験から違うフードを欲しがるようになり、飼い主さんが飽きているように感じるようです。
ワンちゃんは原則的に同じフードで構いません。フードの変更をこまめに⾏なうと、選り好みが強くなる恐れがあるので注意が必要です。
おいしいと感じるポイントは
⼤森先⽣ ワンちゃんの味の好みは、もちろん⼈間とは異なります。 「⽢味」「酸味」「苦味」「塩味」に関してはワンちゃんの⾆も感じることができますが⼈よりも⼤雑把にしか判断できず、また「旨味」は感じないとされます。
ただ、ワンちゃんには味覚を補う敏感な嗅覚が備わっており、⾹りで判断することが多いのでしょう。 最近では、⼈も安⼼して⾷べることができるヒューマングレード品質のドッグフードが数 多く登場しています。
ご⾃⾝のワンちゃんがどんな味・⾹りが好みなのか、飼い主さんも少しだけ味⾒をしてみてもよいかもしれません。
監修者/獣医師 ⼤森貴裕先⽣ プロフィール
東京農⼯⼤学農学部獣医学科卒業後、埼⽟県内の動物病院にて臨床獣医師としての基礎を学ぶ。その後、同⼤学の博⼠課程へ進学。⾃⾝も⼼臓病をもつ愛⽝と暮らしており、ペットが健やかで幸せな⽣活を送るために必要な正しい知識や獣医療を飼い主の皆さんと共有できるよう⽇々邁進中。
構成/清水眞希