◆高橋晋平の憂鬱な月曜日を楽しくする研究会
日本には、休日明けの月曜が嫌いな人が多すぎる……。この連載では、月曜日の憂鬱を減らし、一週間を楽しく過ごす方法を研究、紹介していきます。
今回は、「自由すぎる研究EXPO」という中高生の自由研究大会を運営している、株式会社トモノカイさんから、「今、高校でも必修化された『探究学習』が、月曜日の憂鬱解消のヒントになるかもです」というご連絡をいただき、取材してきました。
※写真左は「自由すぎる研究EXPO」運営担当の佐瀬友香さん(株式会トモノカイ、本文中では敬称略)
探究学習って何ですか?
高橋:株式会社トモノカイさんって、どんな会社なんですか?
佐瀬:いろいろな教育事業を行っている会社です。家庭教師紹介サービス、塾と塾講師をつなげるサポート、学校の放課後支援、教材開発など。そんな中、私のチームでは、昨年度から高校で本格的に始まった「総合的な探究の時間」という授業をより充実したものにできるように、探究教材の開発やイベントの開催などを行っています。
高橋:実は僕も、もう5、6年前から、小中高で探究の授業の講師をしているのですが、この授業って、いろいろな略称で呼ばれますよね。「探究」とか「探究学習」とか。
佐瀬:はい。正式名称は「総合的な探究の時間」という科目ですが、「総合探究」「総探」「探究」など、いろいろな呼ばれ方をしている現状がありますね。
高橋:この記事の読者の方のためにも、プロに改めて詳しく聞いてみたいんですが、「探究」ってどんな授業なんですか?
佐瀬:実はそこが、まだ明確になっておらず、何をすればいいのかよくわからないという学校も多いのが課題なんです。指導要領では、ねらいなどが文章で定められているのですが、教育現場では「具体的にどうしようか……」と、試行錯誤されている先生方も多いです。基本的な定義は、生徒さんたち自身が「問いを見つけて、自分なりの答えを探していく」授業ですね。
高橋:まさに、小学生がやる自由研究みたいなことですよね。
佐瀬:そうです。探究の基本的な考え方が、こちらの図で表現されている「探究のサイクル」を回すということです。
佐瀬:簡単に言うと、①問いを見つけて設定し→ ②いろいろ調べたり実験したりして→ ③結果を整理し考えて→ ④まとめる→ ①そしてそれを発表したりしながら振り返ることで、新たに生まれた課題を次の問いにする、というサイクルを回し続けるのが、探究のサイクルです。
高橋:なぜ今のタイミングで、探究という授業が必修化される流れになったんでしょう。
佐瀬:これは私なりの表現なのですが、VUCAなどと言われる、不確かで将来の予測が困難しい時代に、自分で考える力、すなわち生きていく力を育てるために始まったと捉えています。
高橋:もちろん、「探究」は、大人にとっても使えますよね。
佐瀬:まさに! むしろ大人にこそ必要な力だと思っています! 私も、実生活で探究を実践しています。
高橋:探究を実践している?
佐瀬:はい。実はまさに今回のテーマでもある、月曜日の仕事を快適に始められるように、毎週、探究のサイクルを回しているんです!
高橋:そうなんですか!? できるビジネスパーソンって感じがしますね。ぜひ、具体的に何をやっているか教えて下さい。