あなたが「感じがいい」と思うのは、どんな人でしょうか?
いつも率先して元気に挨拶をしてくれる職場の部下。相づちのバリエーションが豊富で、聞き上手な同僚。仕事のプロセスから正当な評価をしてくれる上司は感じがいいと思うのではないでしょうか?
一方で、仕事の指示が曖昧なのに、突然「まだ?」と自分の都合で催促してくる上司や、ネガティブワードや余計なひと言が多い部下、人が話している最中に何かと自分の話をかぶせてくるような同僚は、決して感じはよくないと思います。
こうしたちょっとした場面で始まる「感じがいい・悪い」の印象づけは、ビジネスシーンにおいても大きな影響を及ぼします。組織の中で働いている以上、人との関わりをなくすことはできません。せっかく縁があって知り合ったわけですから、気持ちよく付き合える関係を築き上げたいものです。
本記事では50万部を突破した『よけいなひと言を好かれるセリフに変える言いかえ図鑑』シリーズの著者で産業カウンセラーの大野萌子さんの著書『「感じがいい人」の行動図鑑』の一部を抜粋し、再構成して気持ちよく働くためのヒントをお届けします!
先生のおかげで○○が身につきました。次は○○に挑戦したいのですが
趣味や習い事などで相対する「先生」との関係も、悩ましいところ。自分が努力して手に入れた知識や経験を提供する先生と、教えの対価を支払う生徒、その関係には契約が成り立っているわけですから、本来対等であるべきです。けれど「教える」先生に対し、生徒側はあくまで「教えてもらっている」立場。気持ち的な上下関係が発生するのは自然なことです。特に、上下関係が厳しい時代に育ってきた世代はなかなか言いたいことが言えない、機嫌を損ねて損をしたくないと思う人も多いと思います。
例えば、指導プランに疑問がある場合、どうすれば気持ちよく対応してもらえるでしょう。ポイントは相手への尊敬を伝えてから、自分の要望を話すこと。「先生のおかげで○○が身につきました。さらに○○もやってみたいのですが」といった具合です。
先生と呼ばれる人には、先生としてのプライドがあります。教わる側はそこを理解し、尊敬と要望をセットで伝えること。【プライベート編61】でも触れましたが、先生もある意味、サービスの提供者。習う側はその受け手でもあるわけですから、どうしたいか、どうなりたいのか、はっきり伝えられれば相手もプロですから、サポートを惜しまないでしょう。要望を伝えるという意味では、同じ先生と呼ばれる職業の医師に対しても同じです。医師の前では緊張するせいか、口数が少なくなりがちですが、知人の医師によると、痛みを軽減したいのか、薬が欲しいのか、具体的な要望を伝えたほうが対応しやすいそうですよ。
《POINT》
教えを請う「先生」に対しては尊敬・賞賛を前置きした上で、具体的な要望を伝えること
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職場、取引先、親族、近所付き合いなど、様々な人と関わる中で「感じがいい人」は、絶妙なコミュニケーションの術を無意識のうちに、あるいは意識的に身につけています。そんな「感じがいい人」がさりげなくやっている行動や言動の事例を紹介しましたが、いかがでしたでしょうか?
ちょっとした話し方や言葉遣い、意識の向け方を変えるだけで、相手に与える印象は必ず好転します。「感じがいい人」の行動図鑑』の中で紹介している65のアクションをヒントに仕事も、人間関係も、うまくいく幸せ習慣を手に入れてください。
著/大野萌子
発行/小学館
定価/1430円(税込)
https://www.shogakukan.co.jp/books/09311523
著者/大野萌子(おおの・もえこ)さん
公認心理師。産業カウンセラー。2級キャリアコンサルティング技能士。一般社団法人日本メンタルアップ支援機構(メンタルアップマネージャ(R)資格認定機関)代表理事。著書の『よけいなひと言を好かれるセリフに変える言いかえ図鑑』はシリーズ累計50万部を突破。