仕事をしていれば、労働環境や就労条件に関して納得がいかないと感じることもあるだろう。なるべく自分の満足できる環境で働きたいものだが、実際のところ、どのくらいのビジネスパーソンが職場に対する不満を抱えているのだろうか。
日本労働組合総連合会はこのほど、全国の15歳以上の男女2,000名を対象に「連合および労働組合のイメージ調査」を実施し、その結果を発表した。ここでは「仕事に対する不満について」の調査結果のみ抜粋して紹介する。
有職者の仕事・職場に対する不満、1位「賃金が低い」、2位「会社の将来に不安がある」、3位「仕事の内容」
就業経験のある人(現在働いている人、または過去に働いていた人)1,849名に、仕事・職場に対する不満について聞いたところ、「賃金が低い」(32.9%)が最も高くなり、「人間関係がよくない」(18.1%)、「会社の将来に不安がある」(16.0%)、「仕事の内容」(15.6%)、「労働条件(賃金以外)がよくない」(15.2%)が続いた。また、不満がある(あった)人の割合は68.0%(100%‐「特に不満はない」32.0%)だった。
現在働いている人(1,490名)についてみると、「賃金が低い」(35.0%)が最も高くなり、「会社の将来に不安がある」(18.1%)、「仕事の内容」(16.2%)、「労働条件(賃金以外)がよくない」「人間関係がよくない」(いずれも15.6%)が続いた。また、不満がある人の割合は70.2%となった。
世代別にみると、40代では「能力・実績が正当に評価されない」(19.6%)、60代以上では「雇用が不安定」(13.7%)が全体と比べて5ポイント以上高くなった。不満がある人の割合は30代(78.6%)が最も高くなり、40代(74.7%)、20代(70.7%)が続いた。
業種別にみると、[不動産業,物品賃貸業]では「雇用が不安定」(20.0%)、[医療,福祉]では「賃金が低い」(46.7%)、[公務]では「仕事の内容」(27.4%)が全体と比べて10ポイント以上高くなった。
[建設業]では「会社の将来に不安がある」(27.8%)、「労働条件(賃金以外)がよくない」(25.3%)、「人間関係がよくない」(21.5%)、[情報通信業]では「賃金が低い」(43.4%)、[運輸業,郵便業]では「安全や衛生等の職場環境がよくない」(12.0%)、[金融業,保険業]では「仕事の内容」(22.8%)が全体と比べて5ポイント以上高くなった。
また、不満がある人の割合は[医療,福祉](77.6%)が最も高くなり、[情報通信業](76.3%)、[建設業](75.9%)が続いた。
有職者が仕事・職場の不満解消のためにとった行動、1位「家族・友人に相談」、2位「人事・上司に相談」
現在働いている人で、仕事・職場に対する不満がある人(1,046名)に、仕事・職場の不満を解消するためにどのような行動をしたか聞いたところ、「家族・友人に相談した」(20.3%)が最も高くなり、「人事・上司に相談した」(15.1%)、「退職・転職した」(6.2%)、「部署異動を願い出た」(3.7%)、「労働組合に相談した」(3.0%)が続いた。
「何もしていない」は58.9%となり、半数以上の人が仕事上の不満を抱えたまま、何も行動できずにいることがわかった。
現在働いている人で、仕事・職場の不満を解消するために行動していない人(616名)に、行動していない理由を聞いたところ、「不満の解消は諦めている」(41.9%)が最も高くなり、「解消までの労力を割きたくない」(31.2%)、「行動するための勇気がない」(20.5%)が続いた。
次いで、「解消する手段を知らない」(20.1%)、「労働に関する知識がない」(10.1%)となり、知識不足が原因で行動に至らないケースもあることがわかった。
出典元:連合調べ
構成/こじへい