防犯アドバイザーに聞く「犯罪者が嫌がる防犯対策」のヒント

相次ぐ強盗殺人事件の影響により、にわかに防犯意識が高まっている昨今。窃盗や空き巣被害に遭わないために、どのような対策をすればいいのか。現代社会で強い味方となるのが、最新の防犯テクノロジーだ。

防犯対策で重要なのは犯罪者が嫌がる家づくり

　海外と比較すると、日本の治安の良さはトップクラス。だがそれゆえに、お金をかけてまで防犯対策の必要性を感じない人が多い。

「防犯のために重要なのは、いかに犯罪者が嫌がる家にするかです」

　そう語るのは防犯アドバイザーの京師美佳さん。

「侵入者防止の4原則が〝目、光、音、時間〟で、これをふまえた対策が必要です。まず目＝人の目ですが、防犯カメラやテレビドアホンも同様に目の役割をしますし、夜間の侵入防止にはライトの光や、防犯ブザーなど音対策も有効。犯罪者は侵入にかかる時間が5分以上になると諦めるといわれるので補助錠の設置もおすすめです」

　さらに意外と多いのが無施錠。鍵の閉め忘れや確実な施錠のためには、スマートロックも活用したい最新防犯家電のひとつだ。

「ウチは大丈夫だから、は通用しません。近年は防犯テックも進化、より手軽に、より高度なセキュリティー対策ができるので、今すぐ行動を。何かひとつでも導入すれば、防犯意識の高さを侵入者にアピールできますから」

防犯アドバイザー  京師美佳さん
警察署長を務めた父を持ち、セキュリティー企業、防犯ガラスメーカー勤務した後、独立。多方面で防犯の啓蒙活動を行なっている。

侵入窃盗の手口別認知件数

総数 3万6588件（令和4年）

出典：警視庁

家人が就寝中の「忍込み」や、在宅中に隙を見計らって侵入される「居空き」も発生。コロナ禍で換気のために窓が開いているケースも多く、要注意だ。

侵入窃盗の侵入手口

出典：（財）都市防犯研究センター　JUSRIリポート

一戸建て、共同住宅、ともに侵入手口の1位は「無締り」。閉め忘れさえ防ぐことができれば防犯対策になる。

留守宅の確認方法

出典：（財）都市防犯研究センター　JUSRIリポート

「インターホンで呼ぶ」が半数近く。スマホなどでリアルタイムに来客対応ができる最新のテレビドアホンなども犯罪の抑止に有効だ。

犯罪者が侵入を諦める理由

出典：（財）都市防犯研究センター　JUSRIリポートより一部抜粋

「人の目」が犯罪者の一番の敵。さらに何かしら防犯設備がある家は防犯意識の高い家と見なされ、犯罪者を遠ざける。

空き巣が家の下見で気にすること

出典：（財）都市防犯研究センター　JUSRIリポート

「下見をしない犯罪者はほぼいない」と京師さん。下見の際、防犯カメラやテレビドアホンを発見すると、犯罪者の意欲も大いに削がれる。

侵入者が嫌がる家とは？ 侵入防止の4原則

取材・文／高山 惠

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