今後のビジョンについて
――西平さんが考える、アニドネの今後の活動目標や課題を教えてください。
西平さん それぞれの文化や環境で細かな違いはあるかもしれませんが、人と動物の真の共生のためには、動物の感情を人間がしっかり認識するということが大切だと思っています。その点では、法律的にも一般認識的にも日本にはまだ大きな改善余地があります。そういった点からも日本の動物福祉を世界のトップレベルにしたいと思っています。
今まで同様に犬猫を救う現場でがんばっている団体をサポートできるようにしっかりと寄付を募りながら、同じ想いを持つような企業や組織、団体とも柔軟に連携して、一般の方への情報共有や発信を拡げていきたいと考えています。
アニドネの発信活動のひとつが、動物目線のSDGsとして活動しているAWGsです。AWGsとは、Animal Welfare Goalsの略で、犬や猫の観点でライフサイクルに沿った課題を可視化し13のゴールを設定したものです。わたしたち人間側の意識が少し変化したり、小さな活動を積み上げることで、犬や猫を取り巻く環境は大きく改善すると思っています。
たとえば、人間の都合だけで生後間もない犬の尻尾や耳が審美目的で切られるといったことなどは、諸外国と同じような法的規制が必要と考えています。AWGsサイトでは、そういった情報記事の紹介といくつかの項目については署名などを行っています。
――ありがとうございました!
日本の動物福祉を世界のトップレベルにしたい、という目標を掲げて活動する西平さん。寄付する人、される人の両者がハッピーになる仕組みを作ってきた。誰でも参加できる動物のための活動を通じて、人と動物に優しい社会づくりに貢献し続ける姿を見守って行きたい。
西平 衣里 Eri Nishihira さん
株式会社リクルートで、中途採用情報誌に始まり結婚情報誌「ゼクシィ」の創刊、その後ゼクシィブランドのムック版「海外ウエディング」「インテリア」「ドレス」等の媒体立ち上げに編集制作、クリエイティブディレクターとして携わる。14年の勤務後、ヘアサロン経営者を経て、アニマル・ドネーションを立ち上げる。小さいころから、無類の動物好きで魚・鳥・猫とともに育つ。今回の寄付サイト運営が、自身の社会貢献と位置づけ、動物との幸せな共生社会実現を心より目指す。
インタビュー・文/柿川鮎子